題名のない日々

□round and round
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雑誌に見入ったままのハル。


柔らかく煌めく青味がかった髪。
伏し目がちの目を縁取る長い睫毛。
聡明そうな紫闇の瞳に滑らかな色白の肌。
しっかりと紅く色付いたやや薄い唇。
すらりとした華奢な体付き…―。


まさに美少年というべき要素を持ち合わせ、その儚げな雰囲気は男も見惚れてしまう程。
そんな訳で一部の女子には、また違う良からぬ想像を抱かせているようだ。


「―…何見てんの?」


やっと口を開いたハルの声に我に返ると、目が合った。
その目には、その容姿に似合わない鋭い眼光が…―。


「人のこと見てる暇あったら、さっさと課題終わらせなよ。…気持ち悪い」


……そこまで言うか?

不機嫌そうな声色で告げると、何事も無かったようにまた雑誌に戻る。


―そう。
ハルは口を開くと、これでもかという位みんなのイメージを打ち壊す。
決して性格が悪いわけじゃないが、クールでつれない現実主義。
思慮深い薄幸の美少年なんて、所詮は周りの想像の産物だ。





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