題名のない日々
□all around‐*
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大体一ヶ月振りだったかなぁ。
此処で会うのは―。
少し緊張しながらチャイムを押すと、ドアの向こうから微かに返事と足音が聞こえてくる。
その間に、深呼吸でもして気持ちを落ち着けよう―。
「…いらっしゃーい」
ガチャリと開いたドアに顔を上げると、俺は思わず見入ってしまった。
普段は束ねてる髪を下ろして、煙草を手に微笑む相手に。
それに、私服ってのも未だに新鮮だし。
せっかく落ち着けようとしたのに、また変に胸がドキドキ云いだした。
「ん、上がって上がって」
「お邪魔します…」
促されるまま玄関をくぐると、軽く肩と身体が触れ合った。
服の擦れ合う音と、仄かに伝わる体温。
―…気付いたら、抱き付いてた。
…自分のしたことだけど、またいきなり思い切った行動に出たもんだよね;
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