題名のない日々
□non style
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昼休みも中頃。
いつもより賑やかな保健室。
微かな消毒液の匂いに白を基調とした室内は、正直殺風景だとは思う。
‐―が。
揃って押し掛けてきたと思ったら、待合用のソファーを占領し昼飯を広げた男子四人組。
よりによって、何で男子なんだ―ι
色気も花もあったもんじゃない。
「ほら‥食い終わったんなら、さっさと出てけ」
「ひっでぇ、ユッキー!」
「此処は食堂じゃねーんだよ。食わせてやっただけ有り難く思え」
ブーイングを聞き流しながら、ヒラヒラと手を振って急かす。
渋々片付け出した連中を横目に、自然と溜め息が漏れる。
すると、カラカラと扉の開く音が耳に入る。
明るい茶髪の小柄な男子生徒。
その姿を目にすると、思わずにやけそうになるのを我慢して。
「ほーら、お客さん来たからさっさと出てく!」
「はーい…」
四人組とすれ違いで入室すると、チラリと扉に視線をやる生徒。
「…邪魔しちゃった?」
「いいや?待ってたよ、中澤」
「先生、名前〜っ」
大きな目が抗議するように見つめてくる。
「あー、ハイハイ。そこ座って、智也?」
診療用の丸椅子を勧めながら名前を呼ぶと、智也は満足気な笑みを溢した。
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