題名のない日々
□non title
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俺の考えを察したのか、笑いを堪えながら覗き込んでくる。
少し前まで脱色して金髪だった髪が、光を受けてその名残を垣間見せる。
「あのさぁ‥ハルの方がよっぽど人気あるぜ?」
「…そう?」
「そーだよ。第一、よく見るとは余計」
未だ喉奥を鳴らしながら、凛々しい顔立ちを無邪気に緩める。
少しまだらに染まった茶髪が揺れる。
―…そういえば、廻志がこんな風に笑うのは、俺の前だけかもしれない。
愛想がいいから、よく笑ってはいるけど。
「‥なぁ〜にジロジロ見てんの?」
「…!‥別に」
廻志の笑みが、僅かに変わる。
―注がれる視線。
‥あんまり見るなよ―。
廻志の瞳が俺を捉える度に、胸の奥がキュッとなる。
あの日から、ずっとそう。
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