cocoro
□白い花1
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(・・・・緊張する)
翌日の夜、リンはハワード邸のパーティー会場の入口にいた。
見渡す限り、見た事ないくらいきらきらした世界が広がっていて。
自分なんかより遥かにきれいに着飾った貴族のご令嬢方を見て、思わず自分の格好を見下ろす。
(・・・どうしよう、私なんてむしろドレスに着られているようなものなのに・・・)
ドレスも髪型も、お城のメイドさん達がそれは綺麗に整えてくれた。
それでもこんなパーティーに参加するのも初めてのリンにとっては不安しかない。
(どうしよう・・・)
そのとき、
コツっ
「いたっ・・・」
突然額に痛みを感じて、顔をあげると正装姿のアランが立っていた。
初めて見るアランの正装姿に思わず頬が赤くなる。
(なんだか、いつもよりかっこよく見える・・・)
と、アランはそんなリンの様子を見て、ふっと笑って言った。
「なに、緊張してんの」
「そ、そんなこと・・・」
「大丈夫、とりあえず俺たちから離れんなよ?」
行くぞ、とアランがリンに手を差し出す。
「・・・?」
その手の真意を読み取れずにいると、しびれをきらしたアランがリンの手を自分の手に乗せた。
「しょうがないからエスコートしてやるよ、お嬢さん」
「え・・・っ」
慣れないアランの姿と行動に頬を染めながら、リンはジル、レオのいる場所へと足を進めて行った。
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