..xoxo..

□3 迷惑かけたくない
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涙を必死にこらえていて、

前の二人の話がぜんぜん入ってこなかった。









手をぐっと強く握りしめていた。









しばらくしたら、車が止まった。









「降りろ」









隣に座るアキラさんが言った。









私は、なせが動けなかった。









どうしよう………









力が入らない………









ショウさんが車を降りて、私が座る方のドアを開けた。









「どうした?」









ショウさんが覗き込んで言った。









「う…ごけない…で…す」









私は小さな声で言った。









「ショウ、連れてってやれ」









アキラさんが車を降りて言った。









その瞬間……








微かにする甘い匂いが私を包み込んだ。








「キャッ」









ショウさんが私を抱きかかえたのだ。








いわゆる、お姫様だっこ。









「ケイジ、ドア閉めてくれ」









ショウさんは私を抱きかかえケイジさんに言った。









私はふとなぜかショウさんを見た。









ショウさんと目が合い、急に恥ずかしくなり、

ショウさんの胸に顔を埋めてしまった。









「大丈夫だよ。心配ないから」









そんな私をショウさんは優しく言った。









さっきまで怖かったのが嘘みたいに
涙ぐんでたのも引っ込んでいた。









「……もう大丈夫です。降ろしてもらっても」









私はショウさんに言った。









ショウさんは頷き、私をおろした。









「手間がかかんな、おまえ」









ケイジさんがフッと笑いながらそう言って、

建物に入って行った。











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