伊織のホームページ
「父さんも嬉しいと思うけど、俺のは再婚相手には言わないでよね…」
「どうして」

きょとんと顔を傾ける母親は40代というのに、幼く可愛らしく見えた。

「どうしてって…俺や幼い流架を連れているだけでも…相手は邪魔だろう」
「あらっ、裕一郎さんは4人の子共がいるわっ、子連れ同士の結婚よ」

吐息を付く、ならなおかつ言わない方がいい。
俺の身体は普通の身体とは多少違うからだ。
俺は物心付く前から病院に通っていた、両親はその度に悲しそうな顔をしていた事は今でも覚えている。
父親を亡くして、まだ幼い弟の流架や俺の病院代を稼ぐのに母親は朝から晩まで働き、その母の代わりに出来る限りの家の事をして、流架の兄であり父親の代わりを努めようとしていたが…去年俺は倒れて、死ぬ所だった。
まぁ、今は何ともない。
健全なる健康体だ。
「子共が好きなら、嬉しいよ…流架を大切にしてくれる人なら、でも」
「でも…」

不思議そうに首を傾ける母親に、俺は途方に暮れる。
俺の身体は健康体には成ったが…10年に一度手術をしなければ成らないし、半年に一度は検査を受けに行かなければならない。

「…俺は健康体だけど、今は」
「知ってなければ成らないし事もあるわ」
母親が言いたい事は多分、俺の身体の中に入っている延命機械ピースメーカーの事だろう。
「機械類は弱いけど、20cmの距離さえ有れば大丈夫だよ…だから、俺の身体の事を言わないで…もし、俺で…」
「結婚が決まらなかったら、っていいたいの…なら私は、そんな事で結婚出来ない人はごめんだわ」

母親の目が先ほどとわ打って変わって、真剣な目で見つめる。
小説
新たな家族


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「…俺の事はいいから」<br>「ダメよ…自分の幸せよりアナタの幸せを考えるわ」<br><br>お互いに無言になる、沈黙を母親の一言が破る。 <br><br>「アナタを健康な身体に産んで上げられなかったのは…私のせいよ」


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