黒白の姫(原作

□第37夜
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クロスが遠慮なくティキにどんどん弾を撃ちこんでいく。

痛そうだな…とは思うがクロスはクロスなりの考えがある。
傍観することしか出来ない。


『私必要ないじゃん』
「ある。今すぐ止めてこい」
『はっ、はぁっ!!??』
「ちょこまかと動きやがって…軌道変えてもまたブチ込まれるだけだがな」
『んー、まぁ気は向かないけどティキが呑まれないなら助けに行くかな』


鎌をブンブンと振り回す。
これ重たいんだよねぇー。他の人が持ったら更に重たいらしいけど。


『ティッキー…私が相手をしてあげる。あんたが気絶するまで……ね!!』


鎌を大きく振り、ティキに向かって斬りかかる。
向こうはもちろん避けるが私の攻撃力のほうが早くてかすり傷がどんどん刻まれていく。

手加減しないとティキの胴体が真っ二つになっちゃう。

スピードと力加減を器用にしながら着実にダメージを与えていく。



時間がないと思い、最後の一撃を決めようとした瞬間に大きな揺れを感じた。


『クロスっ!!』
「いいか、手加減するな。一気に片付けろ」


そう言われ、軽く舌打ちをしてからティキの方を振り向いた瞬間に後ろから抱えられた。しかも、横に。

嫌な予感がして冷や汗ダラダラで上を見るとニッコリと微笑んでる千年公かいた。
てか、この人すごい。

左にティキを抱えて右に私を脇の下に抱えてるんだから。しかも剣を持ちながら。


ジタバタとしながら前を向くとこちらに銃を向けているクロスと目があった。


「こんばんワ♡」
「よぉ、相変わらずパンパンだなこのデブ。それに何あっさりと捕まってんだよ」
『捕まりたくて捕まってんじゃないっちゅーの!』



なんとか抜けだそうと千年公の横腹あたりを殴るが、ぽよーんとしてて全然攻撃が効かなかった。


『((ま、マシュマロボディ…!!!))』
「失礼なことを考えてませんか…?♡クロスと会うのは何年ぶりでしょうかネェ♡」
「さぁなデブと会った日なんていちいち日記に記してない」
『あんた日記なんか書いてたの!!?』
「…お前黙ってろ」


この場の雰囲気を壊すようなことを言うから正直会話にならない。

えへ。だってクロスが日記とか考えられない。

◯月◯日
今日は、パンパンデブの千年公に会った。
マリアの能力で後をつけると三星レストランに入っていき、たくさんステーキを食っていた。


みたいな???

知らんけど(笑)


そう考えていたら会話が進んていたらしく、ふっと気づいたらアレンの声が聞こえた。


「伯爵ぅうう!!!!」
『アレンっ!!』


アレンがクロスに攻撃したおかげで千年公は攻撃を受け止めないといけなくなり、抜け出すことができた。


「我輩の剣…!?…"憎悪"…ッ。いい瞳だアレン・ウォーカァ〜♡」
『アレン!やめて!!』


崩壊が進んでるこの岩場では下手に動くことは出来ない。
クロスに目を向けると口パクで戻って来いと言われた。




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