黒白の姫(原作

□第22夜
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やめて………


やめて、アレン……







そんな目で私を見ないで―――
















アレンは私達を見ながら驚く。


「おいで、ティーズ」
「………!?」


ズッ……

スーマンの破裂した血から蝶が出てきた。
羽根には色々な模様がついていた。


「マラタ、しっかり立っていてね」
『…え?』
「おいで」


ティキがそういうとティーズはティキの手に向かって手の中に消えていった。


「まぁまぁデカくなったかな」


手の中から大きくなったティーズが出てくる。
中央に変な顔みたいなのがついていて怖い。


「お前…!?何した…っ」
「……はれ!?お前…っ、イカサマ少年A?」
「は?」
「あぁ、そっか。今のオレじゃわかんないよな。お前、もしかしてアレン・ウォーカーだったりする?」


アレンが左手でティキを殴った。
アレンは完全に怒っていた。
だけど、ティキは笑った。


「そりゃ敵なんだし殺すでしょ」
『ティキ………』
「なんだよ、マラタも怒ってんのか?こうなる事をわかっていたのに?」
「――え?」
『なっ……!!』
「マラタは全てをし――むぐッ…」
『ティキ!!!!!』


慌ててティキの口を塞ぐ。


『それを言わないで!』
「………大切な仲間にですら言わないのか?」
『私は…………、言えない…いや、言わない。ティキが私のことを知っているならば理由はわかるでしょ?』
「あぁ、そうだな。マラタの正体がバレれば教団からもノアからも追われるからな」
「それって……どういうことですか……追われるって…正体って…」
『何でもない』
「僕達は仲間でしょ!?」
『それとこれは別なの!!』
「っ……」
「少年、マラタを泣かせるなよ?」


この先知られる事が怖くなり涙を流してしまった。
アレンは動揺する。


「少年、オレの能力はこれ」
「!!!!」


ティキの手がアレンの体を貫通する。
痛くないんだろう…そう思っても見てると思わず顔をしかめてしまう


「少年も死ぬか?」


ティキがそう言ったのにアレンは強い目でティキを見た。

やはり私はないもできない。
アレンを助けたくても助けてしまえばこの先のストーリーが変わることは間違いないだろう。
アレンのイノセンスを完全にしないといけない事もあるから下手に手出しはできない。




だから私は、アレンがイノセンスを壊されて死んでいくのを見ていかないといけないなんて………




誰にとっても苦痛でしかなかった。




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