黒白の姫(原作
□第14夜
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ロードが扉から消えていったお陰で能力が消え、部屋の崩壊が始まった。
ミランダとリナリーが落ちていき、その次に私とアレンも落ちる。
落ちる時、アレンは私を庇うように抱きしめながら闇へと落ちていった。
ふっと気が付いて起きたらミランダのアパートにいた。
アレンを置いて慌てて立ち上がり、ミランダのいるであろう所に慌てて駆けつける。
それに変な違和感を覚えたアレンもついてくる。
『ミランダ!発動を止めて!』
「…ダメよ…………停めようとしたら…」
ミランダが力を緩めたら時計が近くによってきた。
多分傷が戻るのだろう。
それを引きずるミランダは中々戻せない。
『ミランダ…発動を止めて。自分の傷は自分で負う』
「生きていれば傷は癒えるんですし」
「そうよミランダ」
そう言うとミランダは泣きながら発動を止めた。
その瞬間に意識が遠のいていく。
ロードにかけられた眠気がまた襲ってきて、それに身を任せることにした。
アレンとリナリーも気絶していてミランダは慌てて部屋から飛び出すのを薄っすらと見て深い眠りに落ちた。
"……き、ろ…"
どれかに呼ばれたような気がして起きる。
でもそこは知らない空間。
一面真っ白で何もないところ。それが逆に怖くなる。
『…ど、こ?』
「オレの空間…とでも言っとくか」
『!?誰!?』
振り返るとそこには超顔の整った男の人の姿。
それも二人。
今話しかけてくれてるのは人懐っこそうなイケメン男子。
もう一人は…黒いイメージが湧くちょっとクールっぽい雰囲気。神田みたい…。髪の毛の長さは全然違うけど………。
『あなた達は…誰』
「オレらはイノセンス。因みに扇ノ舞の方な。んで、隣にいるこいつが…」
「主のイノセンス、死神の鎌(デススィクル)の方だ」
『………な、んで…』
イノセンスが…喋る?
そんなこと…あるの?でも、目の前には私の武器名を言ってる。
ということは本当にイノセンス?
「本当はずっと喋りかけようとしてたんだがな…タイミングがなくて今しかなかった」
「オレたちの声は主にしか聞こえない。因みに他のイノセンスの感情もわかると思うぞ」
『そうなの…えと、名前は…』
「それは…主が決めていい。オレ達に名はない」
『なら…扇ノ舞の方は防御系だからdefend(ディフェンド)…後者を取ってフェンド』
「りょーかい!」
『えと…死神ノ鎌…これも後者のほうを取って簡単にスィクルは?』
「主が考えてくれたものなら何でも…」
『なら、フェンドとスィクル…よろしく!』
2人と握手をする。
その時、頭の中に直接声が響く感じがした。これは…アレンの声?
疑問に思ってるとフェンドが誰かが主を起こしてる…と解説してくれた。
ここで2人とはお別れみたいだ。
『あ…最後に聞いていい?』
「?」
『貴方達は……
ハート?』
「オレらにもそれはハッキリと言えない。だが…オレらは間違いなくイノセンスの中でも強い力を持っている。このイノセンスを唯一扱えたのは…主のマラタだけだ」
「そゆこと、前に持ってた人はオレらのイノセンスのが強すぎてうまく扱えなくて死んじまったよ」
『なら私は尚更…』
「主はオレらがやっと見つけた人。俺らを唯一扱えるたった一人の適合者。それだけだ」
ものすごく大切なことを任されてる気がするけどそれを感じさせたいのがこの二人だと思う。
とりあえず目覚めないといけないらしいから起きることにした。
そして、また意識が遠のいていく。
起きた時はアレンが目の前にいた。
『ん…アレン…?』
「マラタ!!!」
『…おはよ』
「おはようございます」
アレンに支えてもらいながらゆっくりと体を起こす。
誰かの気配がしてドアの方を見るとラビがいた。
『はじめまして…』
「あんたがマラタさ?」
『そ、そうですけど…』
「…ス…ストライクー!!♡」
『へっ!?』
いきなり抱きつかれて視界が赤に染まる。
ラビの髪の毛か。
「ら、ラビっ!何してるんですか!」
『あの…離してくれませんか?』
「じゃあ、敬語をやめてくれたら離してやるさー!」
『わかったから離して、ラビ』
約束通り離してくれる。
その瞬間にラビが吹っ飛んだ。
「このバカタレが!」
「なにすんだこのパンダジジイ!」
「お主がマラタ嬢か」
『あ、はい(無視した…)』
「(無視しましたね…)」
ラビのことは完全にスルーなブックマン。
「我らはブックマン。向こうの小僧はラビだ。よろしく頼む」
『えぇ、こちらこそ…。そういえばリナリーは?』
「それが…まだ目が覚めてないんです」
『まぁ音波系のアクマからの攻撃だから仕方ないか…』
呟きながらベットから起き上がり、団服を羽織る。
「え、起き上がるんですか!?」
『ずっと休んでたら体が鈍っちゃう』
「もう大丈夫なんさ?」
『大丈夫』
靴下を履いて靴も履く。
うん、やっぱり団服は動きやすいね。
そして、ブックマンにも了承をとって外に出た。
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