黒白の姫(原作
□第8夜
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朝、起きると服に着替えて外に出る。
そこには目隠しをした神田が修業をしていた。
気配を消してそっと近づく。
そして、手を上げた瞬間神田にうでをつかまれた。
『!!』
「誰だ!」
『私よ』
「チッ、マラタか」
『名前覚えててくれたんだ』
神田が目隠しを取ってて確認してた。
「なんの真似だ」
『どれほどの実力かなーと…』
「なら、試してみるか?」
神田がニヤッと笑い、六幻を向けてくる。
そして、私も懐から扇ノ舞(オウギノマイ)を出す。
『イノセンス発動、第二開放!扇刀(オウギトウ)!』
生憎、イノセンスの第二開放までしないと刀は作れない。
そこからイノセンスの力を器用に抑えて、刀だけの状態にする。
神田は少し驚いていたけど特に動じずに構えた。
そして、鳥が飛びだったのを合図に2人は走りだし、刀をぶつけ合った。
次々と神田が攻撃を仕掛けてくる。それを受け流していく。
中々攻撃が当たらないことに気が立ってきたのか力任せになってきている。
ここで、もう諦めてもらおうと思い、神田に怪我を与えないように神田の手の近くのところに刃先を当ててふっとばす。
そうすると、刀だけがクルクルと飛んていき、神田の背後の地面に刺さった。
『力任せになりすぎ』
「…あぁ」
『それだけかな、基本はしっかり出来てるから大丈夫だと思うよ』
「…サンキュー」
神田がお礼を言ったことに少し驚いたけど、微笑み返して神田の六幻を拾いにいく。
そして、丁度朝日が登った。
六幻を返して二人して食堂に行く。
「お次は何かしらー?」
『あ、はじめまして』
「アラん!?新入りさん?んまー!これまた美人で可愛い子が入ったわねー!!何食べる?何でも作っちゃうわよアタシ!」
『そうですか?なら…ホットケーキ30枚で。メープルシロップとチョコレート付きで。あ、あと、これのお茶2つ分作ってもらえますか?』
茶筒を渡す。
あ。今気づいた。壁に〈愛情一発〉と書いてあった。
「いいわよー!」
『あ、その茶筒、ここに置いておいてもらえませんか?いちいち取るのがあれなんで…』
「構わないわよん!専用に置いておくわね!」
『ありがとうございます』
「いえいえ、神田は何を食べるー?」
「蕎麦」
「いつものね」
そう言ってジェリーは厨房へと消えた…と思ったらすぐに戻ってきた。
『はやっ!!』
「ほら、早く食べないと冷めちゃうわよ」
神田は既に蕎麦を持って座っていた。
私も食べ物を持って神田の前に座る。
そして、お茶を渡した。
「?」
『日本茶。ここだと滅多に飲めないでしょ?』
「あ、あぁ」
そして、神田はお茶を飲む。
「!美味い…」
『でしょ?やっぱりお茶といえば日本だよ〜』
「どこで手に入れた?」
早速神田は蕎麦を。私はホットケーキを食べながら話す。
『んとね、仕入れた』
「あの国は…」
『日本も今は悪い国だよね〜こっちでは平和だというのに…』
「こっちでは……?」
『あっ……いや、何でもないよ』
私が残り数枚のホットケーキを食べていたら後ろのファインダーが泣いていた。
「うるせーな」
「何だとコラァ!!もういっぺん行ってみやがれああっ!!?」
「おい、やめろバズ!」
「うるせーな。メシ食ってる時に後ろでメソメソ死んだ奴らの追悼されちゃ味がマズくなんだよ」
「テメェ…それが殉職した同士に言うセリフか!!」
私は目の前の喧嘩を見ながら静かにフォークを置き、立ち上がる。
『ねぇ、うるさい』
「んだとテメェ!俺達ファインダーはお前らエクソシストの下で命がけでサポートしてやってるのに………!!」
バズはテーブルの上に乗っかり、私に襲いかかって来た。
殴りかかってこようとしてきたからそれを人差し指だけで止める。
「な、なに…!?」
『うるさいって言ってんでしょ?ご飯…というか、デザート食ってんの!目の前で喧嘩しないでよ!あと、お前…私にとっては超弱い』
「っ、このっ!!、うぐっ」
また殴ってきそうなところを神田がバズの首を締め上げる。
「「サポートしてやってる」だ?違げーだろ。サポートしかできねぇんだろ」
神田は更に手に力を込める。
さすがに騒ぎになるから止めようと思った。
そのとき、赤い左手が先に神田の手首を掴んだ。
「ストップ」
「…放せよモヤシ」
「(モヤ…っ!?)アレンです」
「はっ、1ヶ月でくたばらなかったら覚えてやるよ。ここじゃこいつらみたいに死ぬ奴が多いからな」
「たからそういう言い方はないでしょ」
神田の手の力が緩み、バズが崩れ落ちる。
『はい、そこまで!』
アレンと神田の手を離す。
『次ここで喧嘩したら…本気でぶん殴るよ?』
「…スマン/スミマセン」
『それでよし!』
2人が命の危機を悟って大人しくなったところでリーバーに呼ばれた。
「神田!アレン!マラタ!10分でメシ食って司令室に来てくれ、任務だ」
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