黒白の姫(原作
□第6夜
1ページ/2ページ
《入城を許可します。アレン・ウォーカーくんと……》
『あぁ、紹介が遅れました。カサイマラタです。日本人なので変な名前に聞こえると思いますが…』
《いや、素晴らしい名前だよ、さぁ入って入って!》
ぱこっ!
誰かが神田の頭を叩いた。
「早く入らないと門閉めちゃうわよ、入んなさい!」
リナリーだ!
生で見ると可愛いとしか言いようがない。
うん、コムイがリナリーにベタベタになる理由がわかるかもしれん。
そして、いざ教団の中に入るとかなり大きい建物。
「私は室長助手のリナリー。室長のところまで案内するわね」
「よろしく」
『よろしく……?なに?』
リナリーがジーッとこっちを見てくる。
顔になにかついてるかな?
「いや…マラタちゃんって綺麗で可愛いなと思って…」
『あ、ありがと…嬉しいよ、それに呼び捨てで構わないよ』
「なら、私のことも呼び捨てでいいわよ!」
『じゃあ、改めてよろしくリナリー』
握手を交わす。
その時、神田が反対方向に歩いて行った。
「あ、カンダ」
アレンがそう呼ぶとすごい睨みつけていた。
アレンもちょっと怖がってるけど。
そして、アレンが握手を求めると神田曰く、呪われた奴とはしないらしい。
『なら、私とはいいのかな?神田』
「…チッ」
神田の近くに歩み寄る。
そして、英語ではなく日本語で神田に話しかけた。
[神田ユウ……だよね]
[!!なんで俺のフルネームを知ってる]
[あぁ、それに第2エクソシストだね]
[…お前…上の人間か?]
[まさか…!あんな悪いところに行きたくもないよ]
[なんで俺のことを知っている]
[何でって言われても…知っているから。その知った方法は教えないけど安心して、皆には言わないから]
案の上日本語で話している私と神田の会話はアレンとリナリーにわかっていなかった。
[じゃ、そーゆことでよろしくね神田]
[…今度オレの鍛錬に付き合え]
[了解、それまでにしっかり鍛えておきなよ〜]
[余計なお世話だ!]
そう言いながらも最後はちょっと笑ってくれた。
そして、神田と別れる。
『お待たせ』
「今の…日本語ですか?」
『そうそう』
「あら、神田も日本人だから話せたのね」
「でも、どうして日本語で…?」
『久しぶりに使いたいなぁと思って!英語ばっかりだと忘れちゃうからさ』
言い訳を言って納得してもらったところで案内してくれる。
廊下を歩いていると警備みたいな人がなにかコソコソ言っていた。
そして、食堂から順番に案内されていった。
「各自の部屋は後で案内するね」
「部屋が与えられるんですか!?」
「エクソシストはみんなここから任務へ向かうの。だからホームって呼ぶ人もいるわ」
『へぇ…』
「あ、でも出て行ったきりわざと帰ってこない人もいるけど」
「『(師匠です…)』」
そして、とある階に来る。
『ここは…』
「ここはいいの」
「はい?」
「いいの」
.