短いユメ(DB

□敵か見方か
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『ねぇねぇ、おにぃさん』
「ん?どうかしたの?」
『あたしと楽しいことしない?』
「楽しいことー?いいよ〜」


町中で真っ黒なワンピースを着て真っ赤な口紅をつけて男の人を誘うと男は鼻の下を伸ばす。

簡単な手口に引っかかる男に口角が上がるがポーカーフェイスを忘れないようにニッコリと微笑む。

裏路地の方まで行くと人が誰も小なさそうなところに叫んだところで声も届かないような場所まで行く。


『ここらへんでいいかな』
「こんなところまで来なくても可愛がってあげるのに」
『違うわ、あたしが貴方を可愛がるのよ』
「それもいいかも………え」


ドサッと男は腹部を抑えて地面に膝をつく。


『……うん、あなた筋肉のつき方いいのね』
「お、お前は……」


ニッコリと笑った少女の手には真っ赤に染まったナイフ。
ドクドクと血を流し続ける男に馬乗りになる。

首にナイフを当て、傷口を手で触る。


「ぐ、ぁぁあ!!」
『まず1つ、あなたに大切な人はいる?』
「い、い、いる…っぁあ!」


首に当てたナイフはそのままにして、傷口を触ってる手は動かす。

中に指を突っ込むと肉の感触が指に伝わる。


『2つ、その人は男性?女性?』
「っ、あ"、お、んな…だっ」
『女を持ちながらあたしの誘いに乗るのね。悪い人。じゃあ3つ目、その人の住所を言いなさい』
「あ"、ガハッ…ッ、すぐ近く、の……3番地……5……の…な、な……だ」
『大切な人なのにすぐ売っちゃうのね。さよーなら』
「た、たすけ……ぐぁァァあっっ!!!」


ナイフを立てて首にグサッと指す。




ふらっと立ち上がり、男の襟首を掴むと簡単に持ち上げ、舞空術でその女の人の住所まで飛んでいく。

その人の住所を確認すると、ドサッと玄関のドアを背もたれにするように座らせ、置いておく。
最後にダーツの箭を投げるように心臓狙って投げるとど真ん中に命中してナイフが突き刺さる。

そのナイフの柄には薔薇のイラストが掘られてあった。






これが夜のあたし


人間がだいっきらいなあたし


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