短いユメ(DB

□ターレスの嫉妬
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やめろよ。もうやめろ。


もう、これ以上――苦しみたくない。







     好きすぎて…


   壊れてしまいそうだ…






アルト―。俺のものになれよ。





今まで、地上げで色んな女を見てきた。





だが…好き。この感情は一切なかった。
いや、一生ないと思っていた。







     それなのに…









2ヶ月前、一緒の任務になった。

二人きりの任務なんて少ないから少し興味があった。


実際に合うと、凄い胸が高鳴った。



名前を聞くと、アルトと言っていた。

その時、瞬間的に思った。噂のやつだ。

確かに噂通り綺麗だった。


だが、下級戦士。どのみち、弱いだろうと思っていた。







だが――――








任務で俺は助けられた。

アルトの強さを知ったのはこの時。


戦闘力が1万5000。

あのバータックよりも高い。

俺よりも断然高かった。でも、この星の連中は女が好きなようだ。


男の俺は全く相手にされない。

だから、アルトは悪戦苦闘。




いくら強くても数が数だけに無理みたいだ。



だから、敵の後ろに回って殺していく。





まぁ、お互い様だな。






俺はアルトを助けた。

アルトも俺を助けた。




そんな事がきっかけで俺達はよく飲みに行くようになった。





アルトも俺のことを知ってたみたいだ。【女ったらし】って言うふうにな。まぁ、かなり傷ついたな。


これから俺は女とは遊ばなくなった。



おかげでみんなにどうしたんだとか何かに取り憑かれたんじゃないかとか。

取り憑かれたってなんだよ。なにに憑かれないといけないんだ。



ま、そんな噂があってもアルトはそばにいてくれた。



でも、オレと飲む約束をしてない日はバータックの野郎と飲んでいる。







その光景を見たら胸がズキンってなる。






俺以外の男で楽しそうに笑っているアルト。




こんなにも好きなのに振り向いてくれない。










他の女はブスだろうが美人だろうが直ぐにオレに寄ってきた。









なのにアルトは違う。一番最初の地上げの時も普通のえがおで、普通の接し方。








俺が肩に手を回しても普通で特に気にしてはいなかった。




まぁその時、
【私にこんなことしてると他の女の子に勘違いされちゃうよ?】
…と言われた。










これまた心にグサッとくるような言葉で一瞬アルトは天然なのかと疑ってしまったときもあった。
















そして、最近思ったこと。


ま、今にも始まったことではないが、俺らしくないと思い始めた。








だからといってアルトを諦めるのはやだ。
それはなんとしても許されねぇ。







だから、今日決めた。アルトに思いを伝えようって…………。








いつもどおりの居酒屋にアルトは居た。





バータックはいねぇ。

アルトは一人で飲んでいた。







そして、そっと横から近づく。




アルト――――。そう横から囁いてやればビクッと肩を揺らし驚いていた。



そして、俺を見たら安心した反面、ちょっと怒ったような顔つきになる。





だけど今日はそんなの気にしない。



アルトの腕を少し引っ張って無理矢理椅子から立たせた。





どうしたのかと、ちょっと困ってる。
そんな仕草までもが可愛いと思ってしまう。



俺も重病だな




そう頭の片隅で思いながら跪いてアルトの手をとった。





物凄い驚かれた。しかも周りにいた奴まで驚いてやがる。


“あのターレスが跪いているぞ!!”

“相手に跪かせるターレスが自分で…!”





全く………酷いよなぁ〜。いつからそんな事に…。まぁ本当のことだから認めるが。




そう、俺は初めて人に跪いた。




そのまま手の甲にキスを落とすと顔を真っ赤にしているアルトの姿。






そして、下からその瞳をしっかり捕えてこう言った。






【アルト好きだ…俺に付いてきてくれ】




そう言うと、照れながらも



    『もちろん///』



と言ってくれた。



【この先どんなことがあってもお前を離さない】


【もし、離れるようなことがあればまた捕まえてみせる】


  【だから、お前に…………】

















  【一生の愛を捧げよう…】
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