黒白の姫(原作

□第38夜
3ページ/5ページ



「ほっほう」 
「………バク支部長…」


キラキラさせてるバクとは正反対にリーバーは呆れながらつて行く。

方舟の中に入っていき、歩きアジア支部の扉を開ける。
すると開けた瞬間に悪口が飛び交う。


「支部長だけズルいっす!」
「オレらも方舟に入れて下さいよっ!!!」
「一人占めなんて汚えぇーーー!!!」
「教団に行ってみたいですぅーー!!」
「いじわる!!!」
「若ハゲ!!!」
「ドドドドドチビ!!!!」


あまりにも酷い内容だったからバクが扉を閉める。

そして、勝手に方舟の解釈をし始めるバクにリーバーとジョニーは呆れて疲れていた。














一方病棟でも大惨事が………。


「う…ううっ…うぅう…」
「もぉ、泣きすぎよ兄さん」


リナリーがベッドの上で困った声を出す。
それもそのはず。

コムイは病棟に押しかけてずっっと泣き続けてシーツを鼻水と涙でビチャビチャにしてるんだから。
婦長もいちいちシーツを取り替えているがそろそろキレる寸前だ。


「仕事いっぱいあるでしょ兄さん。元気になったらコーヒー入れに行くから」
「…うん」


ようやく泣き止んだコムイにリナリーはなんとも言えないような幸せそうな表情をした。


「あと、これボクの子守唄入り抱き枕作ったんだけど…」


ねーむれぇ
ねーむれぇ
ボクのリナリィィイィ〜〜!!!!

という下手くそな歌が変な抱き枕から流れる。


「必要ございません」


婦長がピシャリとはっきり言ったところでコムイが閉めだされた。


「ふふっ」
「うるさくてごめんねミランダ」
「うふふ、リナリーちゃんったら室長さんに会えてよかったわね。とっても嬉しそう」


その言葉を聞いた婦長もやれやれと笑っていた。

そして、女性用のそこの病棟にマラタの姿はなかった。










ぐるるるるるるるるる
ギュゴゾガピ
ドルルルルルル


「ちょっとちょっと看護婦さんーーーっ!!!」


男性用の病棟ではラビの悲痛の叫びが響き渡った。


犯人はクロウリーのお腹の音だ。
そして、冷静に近くにいる看護婦さんはある意味神ってると思う。

マリは聴覚が良すぎてもう死にそうになっていた。
痺れを切らした神田は病棟から出て行こうとしたが邪魔をされた。


「マーくんの言う事聞きなさいユーくん」
「…退いてください」


神田はティエドール元帥を見た瞬間に明らかに不機嫌そうな顔をした。


「可愛い息子たちのお見舞いに来たんだよ。ベッドに戻りなさいユーくん」
「息子じゃねぇし教団に帰った途端その呼び方になるのやめて下さい」
「弟子は我が子も同然じゃないか。照れないで家にいる時ぐらいは私に甘えておいで」
「諦めろ神田。師匠はこういう人だ」


神田が青筋を立てている。


「おっ、俺は…っっ、あんたのそういう所が大っっっ嫌いだーー!!!!!!」


ガチャーーーンという大きな音がして騒がしくなった。

ラビは暇になり、隣にいるはずのアレンに話しかける。


「アレーン、食堂でも行かねー?マラタとかも連れてよぉ」
「…なー、アレン。アレ……」


違和感に気づいたラビは異様に盛り上がって静な事に不思議に思い布団を避けると……


既に食後でした…











隣にいるアレンがズルズルと食べ物を引きずって歩く。(ちゃんと袋に入ってる)

方舟の14番目の部屋に一緒に行き、椅子に座った。


「これって子守唄だよな、ティム、マラタ」


ティムの映像に楽譜があり、それを歌った。


「この詩を読むと頭の中で曲になって聴こえてくるんだ。マラタの声が…僕の頭の中で唄になる」
『………』


アレンはなんとも言えないような顔をしてパンを食べようとしたけど流石に食べ過ぎたのか気持ち悪くなったみたいで、ティムが食べていた。
そして、いつの間にか来ていた私のゴーレムのミュウもティムと一緒にバクバクと食べている。


「マラタ…僕は…ちゃんと自分で道を選んで歩いてるんだよな…?」
『アレンはアレンのやりたいことをやればいい。私は…いつでもアレンの味方だから…』


アレンが少し震えながらマラタに抱きついた。


「今この道が…誰かに決められたものなんかじゃ………」
『大丈夫…』
「どうしてだよ…"楽譜"に描かれている文字……僕とマナが昔二人で造った文字なんだ」


淡々と話すアレンの背中を擦り、落ち着かせる。


「ずっと忘れてた…僕とマナだけが読める文字…子供遊びの暗号だよ…マラタは、この文字読める?」
『……えぇ。でもこの文字は間違いなくアレンとマナが造った文字。この世にはここにしか存在しなく、他の人には読めない文字だよ』
「僕は…自分が怖い。自分の中に誰かがいるような…」
『アレン…アレンがどんな人になろうが私はアレンについていくよ』
「…ありがとう」



アレンの頭を撫でて離れる。


『私、呼ばれているから行かないといけないんだけどアレンはどうする?』
「僕はもう少しここにいます」
『わかった、じゃあまた後でね』


ミュウを呼んで、ミュウに触れると一気に視界が変わり、瞬間移動した。






そこの場所は会議室の扉の前。

軽くノックしてから入るとみんなが驚いている。
クロスを除いてね。


「マラタちゃん…!!どうしてここに!!」
『あれ?クロスから聞かなかった?私クロスに呼ばれたんだけど』
「元帥!!!」
「いいっての。これから大事な話が始まるんだから…なぁ、マラタ?」
『……そうだね、ここにいるメンバーには知ってもらわないと行けないかな。あのハゲ親父はまだ来てないの?』
「ハゲ……ッッ」


皆がぷっ、と吹き出す。
その時、タイミング良くリンクと長官が来てしまい、皆は慌てて真顔に戻る。


「お集まりいただけましたかな。どうも、中央庁特別監査役マルコム=C=ルベリエです。……おや?予期せぬお客さんかな?」
『どぉも、マラタです』
「なぜあなたがここに?」
『私"達"の事…いろいろと気になるみたいだから来てあげたの』
「なるほど…今日は一段と楽しい時間が過ごせそうですな。それにビッグゲストがいらっしゃる。クロスマリアン元帥」
「どうも」


クロスはテーブルの上に足を乗っけている。

クロスが勝手に出していた隣の席に座り、話が進められた。






.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ