黒白の姫(原作

□第37夜
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「"アレン"」

「"マラタ"」

「"オレノティムキャンピー…"」

「"フタツガ…「奏者ノ資格」"」


「ソウシャ?なんのことだ。ティムキャンピーは師匠のものだ。お前のじゃない。何者だお前…!」
『夢の中の人とそっくり?』
「なっ、なんでそれを…ッ!!!!」


アレンが激しく動揺を見せたとき、アレンの耳の無線機が繋がった。


《馬っっ鹿弟子ぃぃぃ!!!!!!!》


クロスの怒声にアレンが倒れる。
あまりにもうるさ過ぎた。
耳元で聞いてるアレンは辛かっただろうな…(他人事)


《とっとと転送を止めろオラァ!部屋に行けたのか!?》
『部屋には無事にたどり着いたよクロス』
「マラタとアレンくん大丈夫!?聞こえる?」
『リナリー?大丈夫だよ』
「僕も大丈夫です…ってなんか二人の声近くないですか……ハッ!師匠!!リナリーに触らないでください!!」
『あっちも床面積危ないんだよ。きっと』
《さすが"知ってる"だけはあるな》
『当たり前でしょう?全てを知る者だもん』


知識は全てある。
レベル4の戦いまで。
新しい子供のエクソシストが入ること。
神田とアルマが対面すること…アレンが逃げること……
だけど…そこまでの知識しかない。
それから先は知らない世界だ。

でも、まだまだ知ってる余地にはなる。



《そこにピアノはないか?》
「えっ、はいありますが…」
《それが船を動かす"心臓"になる。弾け!》
「だそうです。マラタ弾いてください!」
『………』
「えっ?」


驚いてアレンを見るとアレンも驚く。


『あははっ、アレンが弾くんだよ?』
「あの…?僕ピアノは生まれてこのかた一度も……」
《ティムが楽譜を持ってる》
「ってちょっと!!楽譜の読み方なんて知りませんッッ!!」
《借金増えんのとどっちがいい》
『その前に借金作んなし』
「そうですよ!!どれだけマラタにも迷惑がかかっているか…!!」
《そんなことよりそブブッすれば舟はブブブお前、達の意のまガガガッに…ブツッ》



ピーーーーーーーッ
という音と共に無線が切れた。


『アレン、弾いて』
「マラタは…?」
『……私は歌う』
「"アレンノ…楽譜ダカラ"」


ティムは映像で楽譜を映しだす。
アレンは驚く。
見覚えのある文字に…。












千年公は笑う。


方舟が消え、新しい方舟ができたことを喜ぶ。


「消っえタ♡消えタ♡ぜぇ〜んぶ消えターー♡」
「嬉しそうだねぇ〜千年公ぉ」
「レロ〜」
「ウフフフゥ♡」


扉からロードが現れる。
そこにルルベルも。


「主は"嬉しい"のですか?」
「らしいよぉ」
「どうして?あの方舟を消してまで主は"14番目"……と"0番目"のことが気になるのですか?」
「なぜそんなことを聞くのでス♡?」
「だって主は嬉しいというのに……悲しいようです」



千年公の目からは涙があふれていた。
それを鼻水と言って誤魔化していたがそれはちょっと無理がある気もした。






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