黒白の姫(原作

□第37夜
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クロスの元に戻ると油断するな、と言われ軽くデコピンされた。

超痛いんだけど。


アレンがマリアの術でなんとか崖を登ってきている。


千年公の方をみると、レロを引き連れていた。
何を話しているのかここからじゃ崩壊の音とかで聞こえない。
だけど、一言。たった一言だけが頭に響いた。


「"必ず迎えにいきますからねェ〜マラタ♡"」


千年公の方を見ると目が合ってビクッとしてしまう。
そのまま伯爵は笑いながら扉に吸い込まれていった。


『……クロス、やろ』
「今からやる。おい、立て。お前に手伝わせるためにノアから助けてやったんだ」
「………てつだう…?」


アレンが少し辛そうにしてるが気にして入られない。
もう一部しか立てるところはないから。


「…何をするんですか?」
「『任務だ/よ』」

















外で戦う人たちは苦戦していた。


千年公が新しいピアノを弾く。




「!?空から新しいノイズが聴こえてくる…ッ!」


マリが気づき、皆が空を見上げていると黒い物体が現れる。


「方舟っ!!?」


油断したところに巨大アクマの攻撃が来てブックマンはふっ飛ばされた。

ミランダが慌てて駆けつける。


「黒い方舟だと…!?」
「!ブックマン!あそこを見て!」


ミランダが見た方を見れば白い方舟はどんどん崩れていき空の奥の方へ飲み込まれていく。


「ブックマン、あの中にはマラタや神田達がいるんじゃないのか」
「どんどん崩れる…!」


マリが闘いながら聞くが誰もどうすることも出来ない。

ただアクマと戦うことしかできず、白い方舟はどんどん消えかかっていた。










「任務…!?」
「俺がなんの為に来たか知っているだろうが」
「!アクマの…"生成工場(プラント)"の破壊…!」
「この方舟に"生成工場(プラント)"があるんですか!?」
「部屋はまだ残っている」
『ティム…"生成工場(プラント)"へ開けて』


ティムの背後から光が広がり、みんなを包み込むようにする。
そして、気づいたら違う場所に変わっていた。

周りには死体がたくさんいる。
全部ここの番人達だ。

アレンの背後にはものすごい大きな卵がある。


「その卵をぶっ壊してぇんだが結界が貼られてて解除するのに時間が足りん」
『上を見て。ここが最後の部屋なの。卵が転送され消えた瞬間私達もろとも方舟は消滅しちゃう』


そう言った瞬間ドン!!!と大きな衝撃が走り、バランスが崩れるがクロスに支えられた。


「どっ、どうするんですか師匠!」
「止めるしかねぇだろ」
「え?」
『要は"卵"を奪えばいい』
「方舟を起動させてこと転送を止めれば"卵"は新しい方舟に届かない」
「こんな得体のしれない舟、どうやって!!?」
「元帥…なにか知ってるんですか?それにマラタも…方舟を動かせる方法を…?」
「オレじゃない、お前たちがやるんだ。アレンとマラタ」


卵を見ると消滅しかかっている。

 .
「Ӡ(オン)а(アバタ)u(ウラ)м(マサラカト)…効けよ…!縛(バル)!!!!」


クロスは術を使い、進行を遅らせていた。


「お前たちが舟を動かせ!急げ、もう消滅の時間だ」
「は?待ってください、何言ってるか全然わかりません師匠!!」
「とっておきの部屋を開ける」


私はアレンの方に近づき、ティムが近寄ってくる。


「ティムとマラタに従え。そうすりゃわかる」
「どうして僕が…っ!なんでマラタがそんなこと知ってるんですかっ!」


アレンの質問に笑って誤魔化すとアレンと私は吸い込まれた。


「お前たちにしかできんからだ…馬鹿弟子共…」









気づけば真っ白な部屋にいた。

マラタの上にアレンが乗っかる形になってしまっていた。


「…はっ!!すみません!」
『大丈夫だから』


アレンが慌てて私の上から避ける。


「ここは…?師匠とリナリー…?方舟の中なのか?」
「"ココハ千年公モ知ラナイ……「14番目」ノ秘密部屋…"」


アレンの心臓が波打つようにドクンっと鳴る。


「お前は…!」
「"オレノ「鍵」…オレノ…」
「?カギ…?」


中の人物がピアノを指差す。
アレンが自分の部屋のピアノを見ると椅子にマラタが座り、ティムが譜面台のところにいた。


「マラタ…?ティムキャンピ…?」
「"オレノティムキャンピー。オレノマラタ。「アレン」「マラタ」「ティムキャンピー」ミッツガ「奏者ノ資格」


アレンは困惑した表情をしていた。




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