黒白の姫(原作

□第24夜
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戻ってきたウォンに案内され、身体検査などをいろいろと受ける。

そんなことを精密にやっていたり、科学班の手伝いをしていたらもう2日も経っていた。

そして、今日団服が届いて部屋に案内され更衣室で着替えてる途中。

デザインはあまり変わらないけど、色が少し変わって素材が軽くなった。


『さすがコムイさんとジョニー…ピッタリだ』


成長して身長とか伸びたはずなのにサイズがバッチリ。
科学班の手伝いの時に邪魔だと縛っていた髪の毛もおろし、首に新しいチョーカーをつけて太ももにもベルトをつけてイノセンスをしまう。


部屋を出るとウォンがちょうど来た。


「…お似合いですな」
『お世辞はいいよ〜』
「いえいえ!本当にお似合いですよ!みんなも驚くと思いますよ!」


ウォンと話しながら、一番最初に来た大きな扉のところに案内される。
近づけば近づくほどぶつかり合う音が大きくなる。
アレンとフォーが戦っているんだろうな……。


「バク様」
「おぉ、来たのか……って、マラタか…!?」
『なんでそんなに驚くんですか…』


別人みたいに驚かれた。
あ、そういえば私がここに運ばれた時血まみれだったからバクに会う前に着替えさせられてたんだっけ……。


『そんなことより、アレンの調子は?』
「見ての通りだよ……」


発動はできてるけど途中で消える…その繰り返し。

そして、一旦休憩に入ったのか二人の動きが止まった。


「…!マラタ!」
『アレン、大丈夫?』
「マラタもどうだ?」
『いいよ』


アレンと交代するように中にはいる。


「おい、マラタ……」
『バク支部長、私はフォーに負けないですよ』
「ん?誰?その人」
「マラタさんだろ」


李桂達が入ってきて、また驚かれる。


「あれが団服……」
「ファッションですね」
『これでも動きやすいんだよ?』


そうやって笑うとみんなが顔を赤くした。
ここの部屋暑いのかな…。


『?』
「「「「(可愛い…)」」」」
「ほら、イノセンス発動しろ」


フォーに急かされ、死神ノ鎌(デススィクル)を発動する。


「一個でいいのか?」
『もうひとつは守備専門だから』
「ならいくぞ!」
『いつでもどうぞ』


みんなが見守る中、私とフォーは楽しそうに笑う。


そして、フォーが先に攻撃を仕掛けてきた。
蹴りや手の鎌みたいなやつで攻撃してくるけど全部避ける。

フォーはパターンが多いのと相手を目で追ってる…。


『隙があるよ!』
「なっ、かはっ!」
「フォーが一方的にやられてる…」


痛くない程度に軽く手加減しているけど深くは入ってるはずだ。
女は男とかより力が劣る。
その分スピードを重視してそのスピードから蹴りを入れる。

手より足に力が入るのは人間誰しもそうだからね。


「ちっ、くそっ!」
『ほら、また隙ができた…』


手を振り上げてかかってくる瞬間にお腹のところに隙が出来てるから足を上げるとお腹に当たってフォーが尻餅をつく。


「お前……ただもんじゃねぇな」
『昔武道とかやってたから』
「なるほどな…」
『まだ戦える?』
「もちろんだ」
『なら……バク支部長、何か目隠しになるものありますかー?』
「ウォン」
「た、タオルならありますけど…」
『充分』


タオルを受け取り、自分で目隠しをする。


「何をするつもりだ…?」
『目隠しをしてあげる。ほら、来なよ』
「上等だ…!!」
「あの、マラタさんって…」
「マラタは僕達見たく目で追わないで気配を探ってるんですよ。だから多分……フォーはまた負ける」
「……あの子は一体何者なんだ…」


そして、また呆気無くフォーがやられてしまう。
足を引っ掛けて、倒すとその上に乗り、死神ノ鎌(デススィクル)を首に突きつけた。


「…まいった」
『やった♪』


目隠しのタオルを外して、フォーから退ける。


『いい準備運動にもなったし…私は行くかな』
「もう行くんですね…」
『うん、みんなのところに戻らなきゃ…』


アレンは悲しそうな表情をする。


『…アレン』
「……はい」
『これ、預かってて?』


ネックレスをポケットから出してアレンの首につける。

これはこの世界に来る前にお母さんが渡してくれたもの。
切れるのが怖くてずっとポケットに入れていた。


「これは…」
『…………お母さんの形見と言ってもいいのかな……』


死んでないけど今別々だし、多分これからはもう会えないから。


「そんな大切なもの…!」
『だから!大切なものだからアレンが次あった時に頂戴』
「っ……はい!」


アレンは更に頑張ろうと思えたらしく、気合が入っていた。


『あと、フォー…』
「?」


手招きして、フォーを近くに越させる。
誰にも聞こえないように小さな声で話した。


『ここのフォーの結界をいつもより強くしておいて』
「……は?」
『じゃないと……敵に襲われるよ』
「まさか、ここは安全だぞ?あたしが守ってんだからよ」
『………私は忠告したからね…』


そして、フォーから離れる。
それからみんなの方を向く。


『じゃ、みんな今までありがとう。また会える機会があったら会おう…』
「気をつけてくださいね!」
『アレン達もね…!イノセンス発動。扇ノ舞(オウギノマイ)第二開放言霊ー瞬間移動ー』
「消えた……!?」


そこにはもうマラタの姿はなかった。




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