黒白の姫(原作
□第22夜
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「アレン・ウォ〜カァ〜デェ〜リィトォ〜」
『セルロロン…!』
「マラタ…?こいつの名前知ってるんですか?」
『っ!!!』
「ボロがでたな、マラタ」
「なにか…知ってるんですか?何を隠してるんですか?」
『な、なんでもない……』
「なら……なんでそんなに怯えてるんですか…………」
『____!!!』
アレンは変なときに鋭い。
アレンは何も悪くない。
悪いのは全て私なんだよ。でも、これだけはどうしても言えないこと。
言うとしても……まだ時期が早い。
言うならば……方舟の時だ。
「とりあえず…イノセンスの野郎から逝かせてもらうよ」
ティキはアレンの左腕、イノセンスを切り離した。
ティキがイノセンスを壊した時の状況をアレンに伝える。
アレンは「やめろ」と何回も言うがティキはそれを聞かずにアレンのイノセンスを破壊してしまった。
「何だハズレか」
「逃げろティム…スーマンのイノセンスを持って逃げろ」
『ミュウも…ティムと行って』
2人のゴーレムはふるふると振って行かないという。
「お前たちがいなきゃ…みんなが師匠のところに行けないだろ。行くんだ」
そういうとティムはスーマンのイノセンスをパクッと口の中に入れた。
『ミュウ。ティムの援護をしてあげて。そして、ちゃんと消しておいてね』
"消しておいてね"
それはさっきの話のこと。
正体だの追われるだのたくさん出てきてしまったから。
多分、ラビ達に記録はミュウが見せてくれるだろう。
そして、ティムとミュウはものすごい速さで逃げていった。
「ま、賢明な判断だな」
「ありがとティム、ミュウ…」
「(追え、アクマ共)」
ティキは心の中でアクマに話しかけてティム達を追わせた。
「心臓に穴を開けるだけにしろよティーズ……姫は…何も言わないんだな」
『…………』
「まぁいいか」
ブシュッ――
アレンが吐血をした。
ティキはニヤッと笑い、団服のボタンを引き抜いてからトランプを見つけた。
「……よい夢を…少年」
ティキはアレンの上にトランプをばら撒いた。
そして、ティキは私の方に向かってきてニコッと微笑んだ。
今更アレンが死んだと怖くなり、思わず後退りをする。
「姫は何を怖がってる?オレか?」
『そう。貴方が怖い』
「まぁ仕方ないか……とりあえずイノセンスは破壊させてもらうよ?」
腕を掴まれ、イノセンスを探られる。
そして、右腕のイノセンスを発見された。
「痛みは一瞬だ。……多分」
『触らないでっ!』
払いのけようとしても男と女の力の差でいとも簡単に押さえつけられて右腕のイノセンスが壊された。
『っう…あっ……』
「…マラタのイノセンスは右腕を失わないのか。ということは…右腕に寄生したんだな」
ティキの言う通りだった。私はアレンの手と違い、最初から寄生されていたわけじゃないから自分の腕に追加をされたようなものだった。
そして、ついに扇とチョーカーに手が触れ、どちらとも抵抗するまもなく壊されてしまった。
『!!!フェンド…!?スィクル…!?』
「??誰だそれ」
そうか。イノセンスと話せてた私にしかわからない名前だ。
「………!誰か来るな…」
『………』
「姫、ごめんな?そんなに悲しむなよ…こうするしかなかったんだ。また迎えに来るよ――」
ティキは闇夜に消えていった。
そして、私は今までのが嘘だったかのように雰囲気がコロッと代わり、表情も変わった。
『ったく…演技疲れる…』
そう、演技。
さっきのシリアスを返せ!と思う人もいるかも知れないが全てを平気で見ていたらそれこそ怪しまれる。
そして、アレンの横に座った。
アレンの胸に手を当てるが心臓は止まってた。
『神ノ道化(クラウンクラウン)。アレンの心臓を塞げ』
そうすると、粒子になっていっていたイノセンスが心臓に取り込まれた。
『神ノ道化(クラウンブラック)。全てアレンに移転。主に戻れよ!』
そう唱えると私のイノセンスだった神ノ道化(クラウンブラック)はアレンの粒子と混ざり合った。
これでアレンがもし発動をしっかりてきた時は完全となれるはず。
『………やっぱ疲れが来るか…』
イノセンスの移転。それだけで一気に眠気が襲ってきた。
そして、それに任せるようにアレンの隣に倒れた。
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