幸せと不幸

□第3話
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歩いて行くに連れて爆発音が大きくなる。


「なぁ〜」
『なに?』
「イノセンスって姿変えられねぇの?」
『無理ね、変えられるとしてもそれは不完全なものが完全になる時の状態変化ならあるけど』
「そうか……」


残念そうな声をしたフェンド。
状態変化……ね。

…ん?……もしかしたら…出来るかも…?


『可能性は低いけど出来るかもしれない……』
「ホントか!?」
『ただし…今はイノセンスとノアの五分五分だけど、ノアに侵されるけどいい?イノセンスとしての力はあるけど私に務めないといけなくなるよ?』
「そんなことなら容易いさ」


ほんとにイノセンスかい、フェンドよ。
ノアに加担しようと…裏切ろうとしてるのに…。
でも、フェンド曰く「アクマを倒してるから世界は救ってるし裏切ってない」ということだ。


『とりあえず…方法はあとね。先にユウを助けに行くから』
「了解」









歩いてユウの元に向かうと、ユウは探索部隊を守りながら戦っていた。
大量のアクマを相手に……。


「ナミ…!イノセンスは!?」
『あったよ』


ヒラヒラとイノセンスを見せると、少し安心した顔のユウ。


『さぁて、アクマをぶっ倒しますか〜』


死神ノ鎌(デススィクル)をしっかりと手に持ち、アクマのもとに走ってどんどん破壊していく。

ユウから少し離れ、アクマをふた手に別れさせて自分の方に来たやつを破壊していく。
アクマを斬るたびにアクマの血が体にかかるが、そんなのは気にしてられない。

それに比べて遠くのユウは全然血がついてなかった。
丁寧に斬るんだね…。


『アクマもバカだよね…レベル1なんて相手にもならない……レベル3だとまぁまぁ相手になるかな…』
〔エクソシスト〜!!〕
『レベル2も弱い…』


襲いかかってきたアクマを軽く笑い、いっきに斬りかかった。
そのアクマから出た血が鎌にビシャッとかかると、その血は鎌に吸い込まれていった。

私のイノセンスの鎌はアクマの血を吸収してより頑丈な武器となり、切れ味となる。
第二開放の死神ノ棺(デスコーフィン)はアクマの血を一滴も零さずに吸収出来るから便利なものだ。
……まぁ、主の私の体力が奪われるけど…。


そして、気づけば周りのアクマを倒しきっていた。


『…ユウのところに行こうか』


そう呟いて再びユウの所に戻った。
丁度向こうも終えたみたいで、ユウが六幻を錆に収めていた。


『……!ユウ、アクマっ…!!』


茂みに気づき、そう遠くから叫んだ途端にアクマが飛び出して探索部隊を狙っていた。
破壊をしようとしたが、アクマの攻撃の方が早い。


「た、助け……っ」
〔ギャハハハッ!死ねぇエエエ!!!〕
「ッ!!!…………………………………あ、れ…?」
『…くっ…』
「ナミ!!!!!」
〔エクソシスト?もう一匹いたのか!〕


探索部隊の目の前には背中から大量の血を流している姿。
その顔は、痛みに歪んで耐えていた。


「ナミさん…な、なんで……」
『煩いなぁ……っ、ゲホッ……黙っていてよ』


吐血をしながら笑って鎌を強く握ると、アクマを斬り倒した。


『…もういない…か』
「おい!!ナミ!!?何やってんだよ!!」
『ユウ…?…なんでそんな顔すんの…』
「……だってそれはお前が……っ」


少しずつぼやけていく視界の中、ユウの顔は少し泣きそうだった。
まさかの、あのユウが……。


「な、なんでオレを庇って…」
『人間は嫌いだけどね…アンタ…たった一人を守ったりするのが仕事なの……』
「オレ…あんなこと言ったのに……」
『煩い…男の癖に………喚くなよ……だからユウの…そばにいたら足手まといになるって…………言ったのに………………』


ナミはそう言って倒れるが、それをユウが支えた。


「おい、しっかりしろ!!!……この傷…っ!!!」
「…っ!!」


その背中からは大量の血が流れていて、ナミの呼吸は段々と浅くなっていく。
相当深い傷を追っていた。


「お、オレのせいで…」
「チッ!!自分を責めるならまずはナミを助けてからにしろ!!!本部へ至急連絡して手当を急ぐぞ!」
「は、はいっ!!!」


ユウはナミの傷が開いたり、触れないようにするために、おんぶをして本部に向かって走った。




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