幸せと不幸

□第2話
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教団の地下水路からでてすぐに走って汽車に乗ることになった。

もう汽車は出てる。だから走るスピードを緩めることはできない。


「お急ぎください。汽車がまいりました」
「ちっ、ナミ!!」


走りながらユウのところに行くと抱きかかえられて飛び乗り乗車をした。


「ナミは自分で降りないんですか?」
『降りれなかったら悪い?』
「い、いえっ…」


一度普通に降りたことがあるけど汽車の風に耐えきりずらくてユウに横抱きにされて降りることが多い。
高いところから降りるのはできるが、降りたあとの汽車の横からの風が無理なのだ。

汽車の屋根を開けて中に入ると一部屋開けて貰う。
そして、ユウの隣に座る。


「あれ?ナミさんは資料を読まないんですか?」
『読んだ』
「いつ…」
『出てくる前のコムイの説明の時に』
「えぇ!?あの短時間で!?」


アレンがものすごく驚く。


"主…遠くからイノセンスの気配がする。急いだほうがいい"
『はいはい…』
「え?」
『イノセンスがある。汽車降りるよ。トマ!』


呼ぶとトマが入ってきた。
そして、なぜかナミに「おねがいします」と言う。
神田も立ち上がる。


『アレン、遅れるないでね。あと怪我しないように…』


そう言うといきなりまだ走ってる途中の汽車の窓を開ける。
アレンが「危ないですよ!」と言おうとする前にナミはトマを肩に担いで飛び出してしまった。それに続いて神田も飛び降りる。
アレンは驚きの叫び声を上げながらも慌てて追いかける。


『トマ、こっちで合ってるよね?』
「合ってます!」
「ちょ、待ってくださいよ!」


ナミは立派な男の男性を抱えているというのに走るスピードも緩めず走り続ける。
なのにその走る速さにアレンはついていけない。
そして、ある一定のところでナミがトマを降ろして止まる。


「大丈夫でしたか?」
『うん、相変わらず軽いよトマは』


ナミはファインダーが遅いのが嫌だからちょくちょく抱えることが多い。
男としてのプライドの前にナミを怒らせない方が命が助かると思ってるのであろう。


『遅かったか…』


そう呟いたと同時にある一つの建物が爆発する。
そこにはアクマの姿があった。
アレンは迷わずに突っ込んでいった。


『ユウ、イノセンス任せた』
「ナミはモヤシのところか?」
『違う。他にレベル2のアクマが数体…私が相手する』
「……死ぬなよ」
『ユウもね…!!』


一人で違う方面に行く。


『スィクル!アクマは?』
「合計で…7体。レベル2が3体いる」
『フェンド、あんたの出番はないかもね』
「みんな弱いもんな〜」


イノセンスが話しかける。
フェンドは扇ノ舞。
スィクルは死神ノ鎌(デススィクル)。

そして、死神ノ鎌(デススィクル)を発動させてアクマの前に立ち塞がった。


『お前ら雑魚の相手はこの私がやってやろうじゃないの』
「ギャハハ!!女のエクソシストだ!」
『へぇ、生意気!』


大きな鎌をひと振りするとその風の鋭さにレベル1のアクマが破壊される。


『あと…あんたら二人は何しに来たわけ?』
「ちぇー、ばれてるのかよー!」
「ヒヒっ、やっぱナミには見つかっちゃうね!」


目の前のアクマの頭の上にノアが二人いた。
ジャスデロとデビットだ。


『あのさ、アクマを寄越すならもっと強い奴にしてくれない?』
「ちげーよ!今日は遊びに来ただけだっ!」
『ふぅん、じゃあその遊びに付き合ってあげる』


邪魔なレベル2のアクマを一発で倒して二人を挑発させる。
そして、最初に挑発にかかったデビッドはこちらに向かってくる。


『まだまだ遅い』
「なっ!ぐっ…っ!」


首の後ろに手刀を軽く入れるとデビットの膝が崩れ落ちる。


『気絶しないだけまだ強いね…』


普通の一般人ならもう気絶してるであろう。


『そういえばさぁ、二人はなんで一緒に攻撃してこないの?』
「女一人に2対1なんて卑怯だろ!!」
『……意外と紳士的だったんだね、デビットって…』
「デビはナミが好きだからね!ヒヒっ!」
「なっ…!!?///」
『あれ、そうなの〜?』


ニヤッと笑って未だに動けてないデビットに近づく。
そして、後ろからいきなり抱きつかれる。


「デロもナミが好きだよ!ヒッ!」
『そっかそっか、ありがと』


特にテレもせずに言うジャスデロ。
ここにティキがいなくて良かったとつくづく思った。
でも、ノアの"家族"の前ではホントに素でいられる。
教団のあんなところに居たくない。
今すぐノアのみんなに会いたいけどそうはできない。
私は呪いに縛られてるから…。



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