黒白の姫(原作

□第5夜
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その建物の上に立っている姿は神田ユウ。
長髪で日本人っぽい外見だから間違いない。



『うわぁー!!マジかぁぁ〜!!やっと会えたぁぁ!』

「マラタ!?」

『あ……こっちの事情だから気にしなくていいけど…アレン、避けてね』

「2匹で来るとはいー度胸じゃねぇか…」

「ちょっ、ちょっと待って!!なにか誤解されて…!!」



ドンッ!!



「なっ…!!」

『あちゃ〜…避けてって言ったのに…』

「!」



アレンがギリギリイノセンスを発動した。だけど、対アクマ武器には深い傷が入っていた。



「…お前…その腕はなんだ?」

「………対アクマ武器ですよ。僕はエクソシストです」

「そっちの女もか」

『もちろん』

「門番!!!」

「いあっ、でもよ、中身がわかんねぇんじゃしょうがねぇじゃん!」

「僕は人間です!確かにチョット呪われてますけど立派な人間ですよ!!」

「ギャアアアア触んなボケェ!!」

「ふん…まあいい。中身を見ればわかることだ」



神田は刀を構える。
そして、イノセンスを発動させた。



「この「六幻」で斬り裂いてやる」



そう言って勢いをつけて襲い掛かってくる。

ストンッ…



『はーい、ストップー!今は戦いの時間ではありません』

「な…なに!?」



イノセンスを発動してない状態の扇子で止めたもんだから神田が驚いている。

そして、止められたことが悔しかったのか攻撃してきた。
それを全てかわし、扇子で受け止める。



『こらこら、怪我してるんでしょ?』

「テメェには関係ねぇ!」

『全く…誤解ばっかりしてないでこっちの話も聞けっ!』

「っ!くっ!!」



隙を狙って神田に蹴りを入れる。
手加減はしたけど神田は倒れた。



《まさか…あの神田を…!?》

『いい?こっちの話もよく聞いて!私達はアクマじゃない、コムイという人宛に手紙が届いてるはずだけど?』

「そ、そうですっ!紹介状!」

「元帥から…?紹介状…?」

《そこのキミ! は、はい? ボクの机調べて! アレをっスか…》



そんなやり取りがゴーレムから聞こえ、思わずため息が出てしまう。



『あ、大丈夫?手加減したけど痛かった?』

「! このぐらいなんともねぇよ」

『やっぱり強いね』

「チッ」



神田に舌打ちされた。
え。舌打ちされるようなことしたっけ。心当たりが多すぎてわからない…。

神田が立ち上がり、イノセンスをしまう。

そして、ゴーレムから声が聞こえた。手紙が見つかったみたい。



《“コムイへ 近々アレンとマラタというガキと俺の可愛い女をそっちに送るのでヨロシクな。マラタを傷つけたら殺す。BYクロス“…です》

『恥ずかしいセリフをよく書くなあの人……』

《じゃあ、そーゆーことです!リーバー班長神田くん止めて!》



リーバーとコムイの騒ぎあってる声が響いた。
そして、扉が開いた。



「あの人が出してきた子か…鑑定しがいがありそうだ♬」


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