黒白の姫(原作
□第1夜
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「警察官が殺されたんだってさ」
「ひでぇ有様だったらしいぜ」
「あの噂は本当だったんだ」
教会の前で人だかりのできてる中、一人の太った人が後ろを通り過ぎた。
特徴は黒のシルクハットに傘を持ってる。その傘の頭はかぼちゃ。眼鏡をかけてた。
その男はどこかの部屋にいきなり現れた。
そこには車いすに乗った男性の姿。
「ウフフ♡みんな脅えてル♡我輩のかわいいアクマちゃん♡もっともっと殺して進化するのでス♡」
「義兄さん?」
部屋の外から女性の声。
それはモアの声だった。
その声を聞いた瞬間、太ってた男は闇に消えていった。
がちゃ。
モアが部屋に入ってきた。
「オカエリ、モア。今日ハ帰ルノ早イネ」
車椅子に乗った男がモアに答える。
そして、モアは食事をまた食べていないことに気づくと男のマルクはお腹がいっぱいだと答えた。
その時、部屋の外から何かが落ちた音がした。
「誰カ、イル……?」
玄関に来たモアがマラタとアレンが外に出ようとしたのを見つかってしまった。
「教会に行く気だったわね!?」
「『ちょっとだけ!』」
「ダメ!」
その時、3人共ため息をついて今日の警部のことを思いだした。
〜〜〜〜〜〜
「エスソシストぉ?なんだそりゃ」
『やっぱ低能…』
「おい!!とりあえず、お前ら保留!!モア巡査はこいつらの見張りだ!」
〜〜〜〜〜〜
つまり、モアは自宅謹慎。
マラタとアレンは窓から外の教会を眺めていた。
「アレンくん、マラタちゃん。キミ達はホントに犯人が悪魔だと思ってるの?」
「はい?」
「悪魔というのは古代の人間が病や禍に対する恐怖心から創りだした空想のキャラクターよ」
『……』
「言葉や思想の中だけで現実には存在しないの。私は呪いや悪魔なんて信じてないわ。そういうのキライなの」
『聞いて、モア。私達が言ってるのはそう言う悪魔じゃない。AKUMAとは兵器の名前なの』
「人類を標的に造られた悪性兵器。それがAKUMAです。普段は人の形をしてるので人間と区別しにくいんですが…」
『アレン、アクマ…』
「ですから、今その話を…」
その時扉がいきなり開いた。
ドアの方を見るとマルクの姿。
「!!」
「ウ…ウウ…」
「マルク義兄さん!?どうしたの?」
モアが近づく。
その時アレンがやっとアクマという事に気がついた。
「オ、オナカガ減ッタ 殺サセテ」
「え?」
マルクだったものはアクマへと形を変えた。
レベル1の悪魔。丸い形をして、キャノンがたくさんついてるのが特徴。
モアは目の前の光景に絶望した。
そして、アクマから一気に弾丸が放たれた。
アレンが弾丸を受け止めてふっ飛ばされていく。
マラタはアレンの後ろに回り、アレンをかばった。
教会の壁を突き抜けると、空中で体制を立てなおして、壁にぶつかるギリギリで止めた。
「あ、れ…痛くない…って、マラタ!!」
『怪我ないー?』
「ないですけど…じゃなくて、なんで最初の壁で僕をかばったんですか!」
『え、痛そうだから?』
「それはマラタも同じでしょう!?」
アレンに怒られました。せっかく庇ったのに〜。
「そういえば、あなた弾丸を受け止めたの!?」
『触らないほうがいいよ』
モアが触れようとしてたから言っておく。
アレンがわかりやすいように弾丸の説明をすると、一緒にふっ飛ばされていた猫の体から血が溢れてきて、黒のペンタクルが浮き出てきた。
体中にペンタクルが回ると猫は砕け死んだ。
「マルク義兄さんはどうしちゃったの?」
『あれがアクマ。人間の死体を被って社会に侵入する…』
「あれはマルクさんじゃない。マルクさんを殺し、その死体を被って成りすましていたアクマです」
「義兄さんが…殺されていた!?」
その時アレンがモアの腕を引いた。
『お出ましか』
アクマは探しに来ていた。
その時、警部の怒鳴り声が聞こえた。
「ギョッ!!なんだコリャ」
危ないと悟ったのか、警部や部下たちは拳銃でアクマに打つ。
無意味なのに…。
アレンが叫んで逃げてと言ったが、アクマのほうが早く、警部たちは打たれた。そして、アクマの毒が体に周り砕けた。
「この化物!なんで殺すのよ!なんで!!!」
「言ってもムダです、モアさん」
アクマは殺人マシンじゃない…。
アクマは魂を内蔵した生きる兵器。
その魂は製造者に支配される。
自分の醜い姿や現実を憎悪することで進化することができるエネルギー源になる。
「あのアクマにも…誰かの魂が入れられてます」
アレンは呪われた左目でアクマを見た。
アレンが言うには女性らしい。
『アクマは機械と魂と悲劇を材料にする。人には誰しも心に闇を抱えてるの。その闇が悲劇に変わったら…製造者が現れてアクマをつくる』
「悲劇……」
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