幸せと不幸

□第3話
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アレンと別れ、神田と共に汽車に揺れる。

イノセンスの可能性は低いのにアクマの破壊か…。


「おい、次で降りるぞ」
『わかった』


探索部隊は次の駅で待っているらしい。
しっかりと動ける奴だといいけど…。

駅につき、降りると探索部隊が駆け寄ってきた。


「こんにちは!ご一緒させていただくアスランです!よろしくお願いします」
「あぁ」
『せいぜい死なないようにね』
「……口が悪いんですね」
『あ?』
「何でも無いですよ」


探索部隊はニコニコと笑い出す。
コイツ…マジで殺してやろうか。
…でもユウがいるからダメだ。

そして、イライラしながら森に入った。
木の陰にたくさんのアクマ…でも攻撃はしてこない。


『…ユウ、アクマを任せていい?』
「?」
『木の陰にたくさんのアクマがいる。殺気はなんとか抑えてるらしいけど…』
「レベルは?」
『雑魚ばっかり』
「ナミは?」
『急いで奥に進んでイノセンスがあるかないか確かめてくる』
「…怪我はするなよ」
『ユウこそ』
「あの!!オレは…」
『お前は足手まといだ。帰れ』
「そんな!!!」


探索部隊が叫ぶ。


「そんな言い方はないでしょう!?さっきから聞いてればオレを邪魔者みたいに!」
『邪魔なんだけど』
「なっ…!!」
『はぁ…帰るなら今のうちだよ』
「帰りません!」
『なら、死にたくなければ私についてくることだね。そこにいればユウの足手まとい』
「誰が貴女についていくものか!」
『ならば…勝手に死ね』
「ちょっ、ナミ!!」
「神田さん!放っておきましょう!」


聞き分けの悪い探索部隊…ましては礼儀も知らない奴はもう何を言っても意味がない。
ユウには悪いけど探索部隊を任せて私は一人で森の奥に進んだ。

ガサッ…ガササッ


「エクソシスト〜!!」
『うるさい』


死神ノ鎌(デススィクル)を発動させていきなり来たアクマを破壊する。
その時、レベル2のアクマがぞろぞろと出てきた。


「エクソシスト、ぶっ殺す!!」
『…誰に向かって口を聞いてるのかしらね』
「あ?何言って………ノア…様!?」
「な、なぜノア様がここに…!?」
『とうでもいい。この先にイノセンスは?』
「えっと……奥に1つありましたが我々では触れませんでした」
『あ、そう』


レベル2のアクマを無視してスタスタと進んでいく。
それを止めようとアクマが私の周りを飛ぶ。


「ノア様がなぜエクソシストの服なんか…!」
「そうですよ!そんな汚らしい服なんか着ちゃダメですよ!」
『…言っとくけど今はエクソシストだよ』
「我々を裏切ったのですか!?」
「なら…敵だ…エクソシストォー!!」
『ほーんとバカね…これだから雑魚は嫌い……私に壊されろ』
「ギャハハハ!誰が裏切り者のエクソシストに破壊されるものか……!!」
『イノセンス第二開放…死神ノ棺(デスコーフィン)!!』


両手を上空に広げ、軽く動かすとありえないほど巨大な棺が上空に現れる。


『さぁ……地獄を味わいなさい』


深く微笑んでから一度指をパチンと鳴らす。
そうするとすべてのアクマはその棺に吸い込まれていく。
森の中に隠れていただろうアクマも吸い込まれ、見るところによるとざっと100体は居ただろう。


『The END…』


棺の蓋が完全に閉まる。
アクマの叫び声が響き渡るが気にしない。
そして、もう一度指を鳴らすとアクマの叫び声はいきなり途絶えた。


『よし、掃除終わりっと……んで?あの双子に続いて怪我をしに来たのかな?』
「わぉ。バレてた」
『そんなにジーッと見つめられてたら誰だってわかるよ。ティキ』


後ろを振り向いて見ると案の定。黒の時のティキがいる。
スーツの姿が似合っていた。


「ナミ…久しぶりだな」
『久しぶりなんてものじゃないよ…』
「ナミ……おいで」
『っ、ティキっ!!』


ティキが軽く手を広げる。
そこに、遠慮無く飛び込む。だけどしっかりと受け止めてくれた。


『会いたかった…』
「あぁ、俺もだ」


ティキはもちろん私の恋人。
ノア側のね。

クイッと顎を掬われ上を向かされるとチュ…とキスをされ、頭を撫でられる。


「なんでここに?」
『…イノセンスの回収』
「やっぱな…それってコレだろ?」


ティキがポケットから出したのは私達が探していたであろうイノセンス。

壊さないのかな?と思っていたら、いきなり渡された。


『え?』
「教団に持ってけよ。信頼アップのため?」
『……それは脚色かな?』
「そうそう。信頼させてドン底に堕とす」
『まぁ、昔の件があってから私は教団を信頼も何もないけどね……帰りたい』
「千年公の指示があればすぐに迎えに行く…」
『千年公によろしくね』
「あぁ」


ティキと分かれるために来た道を戻る。
そうすると、ティキの声が聞こえた。
振り向くと、思い出したかのように声が添えられた。


「アクマのプレゼントしといたよ」


……と。
それを聞いて笑ってしまった。
アクマなんて弱いだけなのに…。
所詮は遊びだよ。

そして、ユウ達の所に戻った。




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