幸せと不幸

□第2話
1ページ/4ページ


朝起きると団服に着替える。
その準備が終わったと同時に部屋の扉がノックされた。


『今行く』


髪の毛を梳かし、鏡で軽く確認すると部屋から出る。
そうするとユウが部屋の前で待ってた。
おはよ、と短く挨拶を交わしてから食堂に向かう。


『……うわ…』
「いいから行くぞ」


人混みが苦手なナミは食堂に入るのを一瞬戸惑ったがユウに手を引かれ入ることに…。


「あらーん!早いのねー!何にする?」
「蕎麦」
『えと…チョコチップクッキーとホットケーキ』
「また甘いもん食いやがって」
『いいじゃん』

ジェリーは笑いながら厨房の中に消えていったと思ったらすぐに食べ物を持ってきた。
いったいどうしたらこんなにすぐできるのか…

ユウがスタスタと行ってしまうからそれについていく。
丁度中央あたりが空いてたからそこに向かい合わせで食べる。
特に会話はなし。
いつものことだ。


「ぐすっ…なんで…あいつが死なねぇといけねぇんだ……」
「エクソシストがいながらも死ぬなんてエクソシストは何をやってんだよ…」


真後ろに私とユウがいるのに堂々と泣いて悪口。
ホント人間ってくだらない。
余計な感情を持ってるのが悪い。全く持って反吐が出る。
私は少しムカつきながらも無言で食べすすめる。
目の前のユウを見るとめっちゃ苛ついてた。


「うるせぇな」
「何だとコラァ!!もういっぺん言ってみやがれああっ!!?」
「おい、やめろバズ!」
「うるせーな」


ユウが2度目の言葉を発する。
思わずため息が出てしまった。
こうなったのはバズとかという探索部隊のせいだ。私は関係ない。
いつもの事だ…と心に言い聞かせて最後のクッキーを食べる。
そうすると目の前でバズがユウを殴ろうとするけど神田は普通に避けて逆にバズの首を掴んで締めあげる。


「死ぬのが嫌なら出てけよ。お前一人分の命くらいいくらでも代わりはいる」


ユウが更に首を絞めようとした時誰かに止められる。
それはアレンだった。


「関係ないとこ悪いですけどそういう言い方はないと思いますよ」
「………放せよモヤシ」
「(モヤ…っ!?)アレンです」
「はっ、1ヶ月でくたばらなかったら覚えてやるよ。ここじゃパタパタ死んでく奴が多いからな」


ユウが笑うとアレンは掴んでる手に力を入れる。
そうするとユウの力が緩んで探索部隊がずり落ちた。


「すみませんがなんでナミさんは止めないんですか?」
『は?』
「なんで目の前にいるのに止めようとしなかったんですか?」
『バッカじゃないの?悪いのは探索部隊。私達は悪くないわ』
「でも!」
『あら、なに?ならアレンは正面や背後で悪口言われていい気になる?ここは食堂だ。メソメソする場所じゃねーんだよ』


いきなり口調が変わり態度も変わったナミに周囲は離れる。
アレンもその変化に驚いた。
周囲が怖がっている中、唯一明るい声が響いた。


「神田!ナミ!アレン!任務だ」


通りかかったリーバーによってこの場の雰囲気は崩されナミの雰囲気もガラッと変わり周りは安堵のため息をつく。
中には腰を抜かしたものもいた。

10分後に室長室に行くとリーバーが必殺技のリナリー結婚を使い起こす。
全く持ってくだらない。

そして椅子に座らさられる。
私を真ん中にして。


「任務は三人で行ってもらうよ」
『おい、コムイ!私は2人の面倒見なんてお断りだ!!』
「ナミちゃん強いからアレンくんの良いお手本になるじゃないか〜」
『ふざけるのも大概にしろよ?』
「いい、ナミもこい」


神田の静止によりナミも大人しくなり、諦めて任務に行くことにした。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ