月詠の鏡

□【刀剣乱舞】とある審神者の日常



―――審神者とは。


刀剣より刀剣男子達を具現化し、そして使役する者である。

昨今、刀剣男子達を物のように扱う審神者が問題になっているらしく、政府からの通達で『過重労働禁止』との連絡が来た。

まず審神者が休みを、と言う事で今日は突然の休みになってしまった。

皆が頑張っている中、一人だけ休みなのは頂けないが、それでも必要なのだろう。


(時間遡行軍との戦いで疲れてしまうのも解るけど、物だなんて・・・)


まぁ、私の場合は使役と言うよりも多大にお世話になっているのだけれど。


【今剣】
「あるじさま!」
【主】
「今剣。どうしたの?」
【今剣】
「あるじさまにききたいことがあるんです。いぜん、いただいた“ちょくらあと”はよろずやにうっていますか?」
【主】
「あぁ・・・アレはないかも。普通のチョコレートはあるかもしれないけど、この前作った奴は“フォンダンショコラ”だから」
【今剣】
「そうなんですか・・・」


あからさまにしょんぼりする今剣に申し訳なくなりつつ、自分が作った物を気に入ってくれた事が嬉しい。

フォンダンショコラは温かい状態で食べる物だから作るのは結構な手間なのだけれど、こうして喜んでくれるなら、と私は笑顔で言う。


【主】
「また作るね!!」
【今剣】
「!!」


嬉しそうな今剣と別れて出陣部隊を見送りに出る。

今日は時間があるので久々のお見送りである。


【薬研藤四郎】
「大将。見送りか?」
【主】
「うん。なんでも、昨今『ブラック本丸』なる物が流行ってるんだって。それで、急にお休みの指令が・・・」


うちは大丈夫だろうけど、と薬研を見る。

しかし、視線は合わなかった。


【主】
「・・・や、薬研・・・?」


そんなまさか、と薬研を見る。

でもやっぱり目は合わない。


【薬研藤四郎】
「いや・・・まぁ、行ってくる・・・」
【主】
「い、いってらっしゃい・・・」


なんとも言えない表情で出掛ける薬研。

まさか、まさかそんな・・・


(うちが『ブラック本丸』だったなんて・・・!!)


どうにかしなければ。

どうにか・・・どうにか・・・そうだ!!
  1. 一周目
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