神楽と定春は朝から出掛けていない。新八も今日は用事があるとかで万事屋(ここ)に顔を見せてからすぐに出掛けた。

急に一人になったことだし、最近昼寝してないし昼寝をしようか。それともここんとこご無沙汰なギャンブルにでも行こうか。

何をしようか少しだけ考えたが、…やはり1つしか浮かばない。

やっぱり、あいつん家行くか。


銀時はボリボリ頭を掻きながら少しだけ足早に玄関へ向かい、靴を履いた。

立ち上がろうと顔を上げると同時に、扉の向こうからトントンと控えめな音が聞こえた。
扉の向こうにいるのは銀時が今から会おうとしてた人物だった。

「………」

扉一枚挟んで向かい合わせにいるのに、銀時は返事をしなかった。むしろ息を潜めてその姿を見ていた。

「……銀さん、いないんですか?」

たとえ声を掛けられても応えない。
お妙は扉を開けてみようとするも鍵が掛けられていた。
銀時もこの時初めて気がついた。
 
そういえば。
最後に出たのは新八だった。
皆で出掛けるとき鍵を掛けるのは新八の役目だった。習慣というもので、銀時がいるにも関わらずきちんと戸締まりしていったようだ。

そんな事をぼんやり考えてたら、諦めたようにお妙はその場を後にしようとする。

銀時は鍵を開けてお妙の腕を引っ張った。突然の事によろけるお妙を銀時はしっかり腕の中に抱き止めて、扉を閉めた。

居たんですか、と言い掛けてるその唇を銀時が塞ぐ。
押し退けようとする右手を掴み、お妙の肩を抱く反対の腕にさらに力を入れた。

「っ、ん…んんっ!!」

全く予想していなかった事態にお妙は苦しそうに声を漏らす。
銀時は角度を変えては何度もお妙の舌と自分のそれを絡ませた。

散々貪られて、ようやく唇を離されたお妙は一人で立ってることがままならず、銀時にもたれ掛かり、大きく肩を揺らして息をしていた。

真っ赤な顔をして見上げるお妙の額にキスをひとつ。

「おはようのキス」


このあと銀時が殴られたのは言うまでもない。



Fin.

ただキスさせたかっただけ(笑)
激しい銀時氏(笑)

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