短編

□れっつトランプ!
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配り終えたカードを手に取り、2枚ずつ抜いていく。
手元には5枚残っていた。
幸い、ジョーカーはなかった。
名無しさんは6枚残っている。
こっちの方が有利そうだった。
じゃんけんして順番を決めると、俺から先に引くことになった。


「じゃあ、引くぞ。」
「ど、どうぞ…」


緊張した面持ちでトランプをさしだす名無しさん 。
俺がジョーカーを持っていないのだから名無しさんが持っているジョーカーを引かないように気を付けなければならない。
黙っているのもあれなのでペンギンの話をすることにした。

「そういえば名無しさん、ペンギンすきだよな」
「うん大好き。」
「俺、一番好きなの皇帝ペンギンなんだ。名無しさんは?」
「私も!かっこいいし、ヒナが灰色でもふもふしてるからすっごくかわいい!!でもアゴヒモペンギンもつぶらな瞳と首らへんにある1本の模様がかわいいよ」
「アゴヒモペンギンのヒナも全身灰色で少し皇帝ペンギンと似てるよな。」
「うん!あ、これこれ!」


ほら、と言ってさしだしたのはスペード6のアゴヒモペンギン。
…。
いや、たしかにかわいいけど…


「見せちゃだめだろ。」
「あ……今のなかったことに!」
「なるわけないだろ。よっしゃ!あがり!」
「ええ〜!!そんな〜!」
「それじゃあ、辺見にウソの告白するんだぞ?」
「え〜…デコ見かわいそう…」
「じゃあマジの告白すればいいじゃないか」
「でも、タイプじゃないし。私が辺見に告ったって幸次郎が知ったら辺見がどうなるかわかったもんじゃないし」
「大丈夫大丈夫。ってことで、今週の土曜日練習あるから来いよ。」
「じゃあ鬼道君も誘っとこう」


みんなに会うのが待ちきれないといった様子で笑う名無しさん。
辺見が告白されるところや源田に知られたら…なんて想像すると笑いが込み上げてきた。






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初めて書き終えた小説です。
続き書いた方がいいかな…。
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