十三支演義
□序章
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時は後漢末
魏、呉、蜀の萌芽さえなく群雄割拠する時代のことである
大陸を二分するかのごとき大河、長江を中心に拡大した一つの勢力
ー『漢帝国』は四百年の年月を経て、その命数を使い果たそうとしていた
奸臣の専横に、宦官による腐敗政治
皇帝たちの贅沢な生活を支えるためのしわ寄せは民衆たちにも及んでいた
重税に苦しんだ民は土地をすてた
流民となる者が荒野に溢れ返り、世に苦痛の呻きが響き渡る
その頃、各地で黄色の頭巾をかぶった黄巾族と呼ばれる集団が反乱をはじめ、次第に大きなうねりとなっていった
統一された世が、乱れてゆく
乱世である
それは中国大陸の覇権を争う
ー三国時代の幕開けだった