〜Prologue〜

そこに住む人はみんな子供にこう言う。

――「あの森に近づいてはいけないよ。迷い込んだら最後、2度と帰ってこれなくなるよ。」

*

とある国のとある村。

濃霧に覆われた薄気味悪い深い深い森の奥。

そこに大きな大きな屋敷がありました。

そのお屋敷は人気(ひとけ)が無く、誰も住んで居ない…――はずでした。

昔、小さな子供がその森に迷いこんだところ、誰も住んでいるはずの無い屋敷から歌が聴こえてきたそうです。

その歌は屋敷の窓を抜け、森をさ迷っていた子供の元まで届きました。

子供はその歌を頼りにふらふらと屋敷への道を歩いていきます。

そうして屋敷へ辿りついたが最後…――

子供は屋敷へ吸い込まれるように入ってしまいました。

…後日、失踪した子供を探しに大人達はこの禁忌の森を探し歩きました。

しかし、子供の姿は見つからず、見つかったのはその失踪した子供が履いていた靴だけでした。

そして、その靴は…大きな屋敷の前に落ちていました。

それから2度と子供が戻ってくる事はありませんでした――。

屋敷へ呼び寄せられる人の条件はただ一つ。

『悩みや暗い過去がある人間』


1人目の失踪者が出て数年。

再び迷い込んだ少年少女。

呼び寄せられた屋敷で彼らが出会ったのは屋敷で暮らす不思議な住人達。

彼らは一体どのような物語を紡ぐのでしょうか…――

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