月夜へ贈る戀の唄
□皐月の章
3ページ/13ページ
言霊、別名【 言霊縛り( ことだましばり )】とも言われる呪縛術であり、それを使用するに伴い対象者の名を知っておく必要がある。
……ところで
『 何者なのでしょう?』
私の背後に容易く気配なしに立つ事が出来る彼は一体何者なのか、これが大切。
赤「 俺は神使( しんし )と言って白巫女となる者の準備期間、力が使えない巫女の代わりに物の怪から護る役目を与えられている。」
神使?
確か神使は動物の姿をしていると聞いた事があったはず…。
赤「 動物の姿ではない事が引っ掛かっているようだな。神使としての姿と力は君と契約を結ばない限り使えない。」
『 なるほど…。契約とは如何にして結めばよいのでしょう?』
重要となる契約の結び方を問うた時、背後よりまたも来客が現れた。
?「 征ちゃんったら!もう!こんなとこに居たの?」
赤「 すまない、白椛の者に呼ばれてな。」
?「 あら、此処が白椛神社だったの?……もしかしてだけど…そこのちんちくりんが白巫女候補なんて言わないわよね?その隣のお婆ちゃんだったらもっとびっくりだけど。」
ち、ちんちくりん…。
初対面にも関わらず私の容姿を上から下へ下から上へと舐め回すように見物した結果、ちんちくりん…。
祖母にいたっては確実にお怒りのご様子。
顔は笑ってるけど目が笑ってない!!