月夜へ贈る戀の唄

□皐月の章
2ページ/13ページ






ハッキリ言ってしまえば口寄せは物の怪退治に何の役も立たない!

術付が使えない=お祓い不可能

残る術は妖刀でも探し出して剣術を磨くしか…。

妖刀なんて何処にあるのよぉぉぉ!



『 お婆ちゃんは如何にしてこの状況を打破されたので?』


婆「 何を言っとるか…。その為に彼が現れたんじゃろう?」


『 …彼?』


?「 俺だ、かるた。」



声の主はまたも私の背後から。

今回もすかさず距離を取る。



婆「 来たか来たか。」


『 …お知り合いなのですか?』


婆「 この通り、主らの事に関してはまださっぱりな状態じゃ。」



いやいや、そんなアメリカンな感じで呆れられましても…。

私はこの人が苦手です。



赤「 …やれやれ。祖父に聞いていたが白椛の者は悠長だな。…まぁ、いい。時は満ちた、全て話そう。俺の名は赤司 征十郎だ。」


『 …あ、私は白椛 かるたと申します。』



祖母の知り合いの様だし、名も名乗ったし一先ずは大丈夫そう。

私達、巫女にとって名前とはとても大切なものである。

【 言霊( ことだま )】というものが存在するからだ。





 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ