月夜へ贈る戀の唄

□水無月の章
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誕生日を迎えてから早一月。

季節は水無月、初夏です。

今は征十郎さんとお姉様を連れて食糧の買い出しに出掛けています。



『 人数が増えると食糧の減りが早いものですね。』


赤「 …すまない。」


『 いえいえ、賑やかで楽しい限りですので。』


実「 でもこれからもっと増えるのよ?」



そうだった…。

守護六家ってことは六人の神使と六人の側近…計12人増えると…。



『 そう言えば…征十郎さんは鴉天狗ですが、他の六家の神使達は何を身体に宿しているんでしょう?』


赤「 そればかりは教えられない決まりだ。巫女が自分自身で見つけてこそだからな。」


『 そうなのですか…。見つかるといいのですが…。』


実「 大丈夫よ。向こうも貴女を探してるんだから直ぐ見つかるわよ。」



巫女と神使は互いに共鳴し合うと先日、祖母から聞いた。

征十郎さんの場合は巫女としての力がまだ備わっていたからそれが邪魔になり気付かなかったと言っていた。

然し、偏に共鳴と言われてもどんなものか予想も出来ないから気付けるかどうか…ん?



赤「 かるた、此処から先は人が多い逸れない様に俺を掴んでいろ。」


『 は、はいっ。』



征十郎さんは不意に私の手を引いた。

これじゃあまるで子供扱い…。

凄く恥ずかしいです……。




 
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