月夜へ贈る戀の唄

□皐月の章
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ー 白椛神社 境内 ー


白巫女になると言ったものの…その道は決して楽なものじゃなさそうです。

白巫女となる為には心身共に清廉潔白である事が条件とされる。

そこまでは理解できる。

巫女たるもの、それは重々に承知している。

だけど…



『 今…何と仰いましたか?』


婆「 聞こえんかったかのう?18の誕生日を迎えた瞬間から物の怪は血眼になって、かるたの魂を喰らいに来ると言ったんじゃ。」



それは聞いてないいいっ!

というか何故!?



婆「 白巫女となる準備をする為に誕生日を迎えてから一年間は力を蓄えるのじゃ。何に蓄えるか分かるかのう?」


『 魂…ですか?』


婆「 そうじゃ。つまりして十分に力が蓄えるられている来年の今日辺りが格別に美味…という事になるのう。」



なるのう…ではなくて!!

生死を掛けた戦いじゃあないですか、お婆様!



婆「 ちなみにじゃが、力を蓄える期間となる一年間は口寄せ以外の力は使えんくなる!心して掛かるのじゃ!」


『 ……。』



もう開いた口が塞がりません。

むしろこの開いた口から魂が抜けて行ってる気がします。



私達、巫女は口寄せ以外にもこの前の一件の様に気配を感じる事や術付を使用して物の怪と戦う事が出来る…はずだったのにぃぃ!!




 
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