この想いが届くまで
□はっぴぃばれんたいん!
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「でっきたぁああ!」
一時間後、完成した茶色いぼこぼこした歪な物体……チョコを、不器用ながらラッピングしてゆく。
「ちょっぴり、形変になっちゃったけど……喜んで、くれるっすかね…」
チョコを見つめながら大好きな彼を思い浮かべると頬が赤くなってしまい、頭をぶんぶんと横に振る。
自分から連絡なんて初めてで、戸惑ったし、恥ずかしかった。
でも、会いたいという気持ちが強かったから、ちゃんと言えたんだよ。
目の前に現れた自分よりも身長の大きい彼に、嬉しくて愛しくて…でも緊張で、身体も、唇さえも震えた。
…でも、そんなの俺のキャラじゃないから。
いつものように抱きつき、笑ってチョコを差し出す。
そして、元気いっぱいに告げた。
「はっぴーばれんたいんっす!!」
─後日、チョコを貰えなかった親衛隊と大翼は屍と化していたという
end.