ONEPIECE短編

□星空に願いを
1ページ/2ページ



7月7日




『たなばた?』

「ワノ国にそういうのがあるらしくて今すごい人気なんですって」

『へー。たんざくっていうのに願いことを書くの?』

「ええ。それだけ」

『なんか素敵!』

「ふふ。ルフィがやりたいそうよ」



ロビンからそう聞いた私は甲板で盛り上がってる5人のところに走っていく

5人とはウソップ、ブルック、フランキー、ルフィ、チョッパー

ウソップ、フランキーで短冊をつけるための笹と短冊を作っている

その隣でブルックが音楽を奏で、ルフィ、チョッパーが他の飾りを作る



「あ、名無しさんー!」

『なにしてるの?』

「見ろよこれ!楽しそうだろ?!」

「この笹フランキーがつくったんだぞ!」

『すごーい!さっき本で読んだのとそっくり!』

「アウ!そんなに誉めるんじゃねえ!」

『さすがフランキー!ウソップもすごく色々作ってるね〜』



ウソップはみんなが書くようの紙を色別で切ったり紐を通したり

提灯の形を作ったりしている



「今日は夜星空も見えるから織姫と彦星が無事に会えるといいな」

「そうだな。一年に一度しか会えないなんて、なんだか悲しすぎるぞ!」

『でもそれでもきれることのない愛ってすごいよね〜!』



チラッとルフィを見てみるも全く無反応

色恋沙汰には興味なし。今興味があるのは晩御飯のことだけ。

もっとロマンチックな話に乗っかってくれてもいいと思う

一応アプローチしてる人がとなりにいるんだしね?



『てことは今日は海の上で停まるの?』

「まあそうなるな!島にいったら島の明かりで星見えねぇかもしんねえしな〜」

『今日の見張りは私か〜』



この船の一番高いところから星を見てやろうと今からうきうきする



「よしできたぞお前ら〜!」



ウソップがすべての飾りを笹につけ終え、あとはそれぞれの願い事の笹のみ。

ルフィは赤、ゾロは緑、サンジは青、ナミはオレンジ
チョッパーはピンク、ロビンは紫、フランキーは水色
ブルックはグレー、私は黄色の紙



「よし、書けたぞー!」

「どーせまた肉とかだろ?それか海賊王に俺はなる」

「なんでわかったんだ?」

「それ以外考えられねえよ!」



盛り上がるウソップとルフィ

相変わらず普段から口にしてることが願なルフィ

私はなにかこうかなと紙をもってうろうろ

そうこいしてるあいだに七夕前夜祭宴も終わり見張りの時間



『願い事……どうしよ。ゾロはうまい酒がもっとのみたい

サンジは綺麗なお姉さん達が集まる楽園に!

ナミはお金が降ってきますように。

チョッパーは甘いものが一杯食べたい

ロビンは歴史をもっと知りたい

フランキーはもっと変態を極めたい

ブルックは…ナミとロビンのパンツが見たい

とか書いてそう。

ルフィは……昼間いってた』



んーんー唸り辺りに誰もいないことを確認してペンをとる



『んー。"ルフィとずっといられますように"かな……』



自分でかいておいて恥ずかしくなる名無しさん

笹の目立たないところに取り付けようと笹の飾られてる場所に移動する



『でも見つかったら恥ずかしいよね……』

「なにしてんだ?」

『うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!』



急に体に腕がぐるぐると巻き付けられる

咄嗟のことで願い事がかかれた紙を手放してしまう



『あ!』

「おっと」



風にのって海へヒラヒラと落ちていった紙はルフィが伸ばした手がしっかりと受け止める

しかしそれは名無しさんへの爆弾でもある



「なんだこれ?」

『あ、それは!』

「短冊じゃねえか!まだつけてなかったのか」

『ちょ!返して!』



伸びていた腕はもとに戻ったがルフィが紙に書かれていることを読んでいる

難しいこと以外は読めるルフィ



「にししし!これが名無しさんの願い事か!」

『あー!読まないで読まないで!』

「もう読んだ!名無しさん、俺のこと好きなんだなー!」

『ああああああ!!!!!!あそこにでっかい肉が!』

「ほんとうか?!」



引っ掛かった!と同時にルフィの手から短冊を奪い返しマストの上へと逃げる



『ルフィにだけは読まれたくなかったのに!』

「なー、なんで逃げるんだよ!」

『うわ!』



ゴム人間であり5億の男から簡単に逃げることなどできずすぐに見つかる

そこからは船中を鬼ごっこする



「なー!なんでだよ!」

『くるなー!』

「名無しさんー!」

『いやぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!』

「やかましぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



夜の全員寝静まったであろう時間に走り回る二人

ついにキレたナミが二人にげんこつをお見舞いして女部屋に戻っていった



「いってー!」

『ルフィが追いかけてくるから……』

「名無しさんが逃げるからだろ!」

『返してっていったのに返してくれないからああしたんじゃんか!』



にらみ合う二人に真剣な顔になるルフィ



「で、どうなんだよ」

『なにが』

「名無しさん、俺のこと好きじゃねえのか?」

『う……』

「短冊に書いてただろ」

『書いたけど…………さ…』



今さら何を隠そうかというのに黙りを決め込む名無しさん

しかし簡単に諦めるルフィではない

ずーっとなん分も名無しさんと同じように黙っている



「俺は嫌いじゃない。大事な仲間だし」

『そう、ありがと』



恋とかじゃないんかよと心のなかで甲板をどつく

でも……と続いた声に顔をあげる



「異性としても好きだ!」

『ルフィ……』

「もう七夕だな」

『織姫と彦星が会えたって言いたいの?』

「俺たちは織姫と彦星じゃねえよ。毎日あってんだし!」

『それはそうだけど……』

「思いは繋がったってことだ!」



星降る夜に願を込めて






Fin



おまけ➡
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ