ONEPIECE短編

□勧誘
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「俺の船に乗れ」

『いやよ』



人で賑わう町・オオサカ

商人文化が色濃く残る町として今でも商売で賑わっている

右をみても左をみても店店店

方言と言う珍しいしゃべり方があるらしい

そんななか"ある女"に出会った



「お!そこの姉ちゃん!」

『私?』

「アンタ以外に誰がおんねや!これ、買わへんか?」

『んー。遠慮しとく』

「なんや〜残念やな。ほなまた寄ってってや!」



店の主人に呼び止められるアイツを見たのが最初だ

商人の町と言われるだけあってひっきりなしに捕まる

捕まるたんびにベポやシャチ、ペンギンに答えさせている

一人一人相手してたらあの女を見逃すだろうからな



「船長ぉー!待ってくださいよー!」

「おせぇ」

「そんなこと言ったって、店の主人たちがここぞとばかりに
話しかけてくるんですよ?一人一人相手してるの疲れるっすよ」



お構いなしでどんどん進む

一番賑わってると思われる道を抜けるとそこからは静かだった

静かと言うよりは宿が立ち並ぶ道だった



「ちっ。見失ったか」



知らず知らずのうちに気づかれてたのか



『ちょっとアンタ』

「あ?」

『さっきから私をつけ回してるみたいだけど何のよう?』



家々の間の狭いところに女はいた

見たことのない長いタバコ(煙管のこと)を手に持っていた



「お前を探していた」

『で』

「俺の船に乗れ」

『いやよ。なんで海賊なんかに?それに
その後ろの二人+一匹が着てる服きるの?』

「俺の船の船員は全員これだが」

『ならなおさら嫌。』



いやの一点張り。先のみえねえ攻防が続く

俺がこの女を誘う理由は1つ

着物を着たバカ強い女がいると聞いて興味を持ったから。

何でも能力者でもねぇのに風を操れると噂がある



「どうしてもか」

『ええ。私には海賊になる理由がないしね』

「俺を海賊王にするってのはどうだ」

『あなたが?無理ね。あなたはその器じゃない』



ほう。結構言う女じゃねえか

気が強いとも聞いていたがここまでか

怖いもの知らずで気が強く、そこいらの男には負けなし



『もう用はおしまい?私は帰るわ』

「また明日もここにいるのか」

『さあ。いたならどうする?』

「また勧誘するさ」

『懲りない人』

「俺は狙った椅子は必ず奪う」

『あら。なんの椅子をお求め?』

「お前の主の座だ」

『ふふ。ま、せいぜい頑張りなさい』



そう言って風と共に姿を消した

不思議な女に出会ったもんだな

その女のいた場所には灰が落ちていた

あの長いタバコから落ちたものだろうな

そのうち俺の船の船員として落としてやるさ


Fin

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