ONEPIECE短編

□プレゼントはすぐそばに
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泣かないわけないじゃん

大好きな人からのバースデーコール



「誕生日おめでとう」

『うん。時間的には昨日だけど』

「はは。」



それから近況報告もかねて電話をした

誕生日の話もした。みんなからの誕生日プレゼントが

女子力で溢れていたとか



『じゃもう寝るね』

「ああ」

『…おやすみ』

「おやすみ。って言いてえけど、まだ話せるか?」

『?うん』

「誕生日プレゼントもわたしてねえからな」

『それは帰ってからのお楽しみにしておく』

「もう郵便したんだ」

『え?!』



さっきの誕生日会にサボからのプレゼントはなかった

もしかして遅れて到着するのか



「もうすぐ着くから」

『え?こんな時間に届くの?時間外でしょ?』

「俺が無理言って届けさせた。楽しみにしててくれ」



ガチャッと電伝虫が目を閉じた

プレゼントがもうすぐ届く?

しかもまだ話せるかって言っておいて電話切ったよ

どういうことだと思ったら

仲間の数人が大きな箱を運んできた



「名無しさんちゃん!サボからだってよ!」

『え?』



マジできたと驚く

にしても中に何が入ってるんだか

人一人はいれそうな大きな箱は私の部屋に運ばれた



「じゃ後は名無しさんちゃんが開けるだけだから
俺らはおいとまするぜ」

『うん。ありがとう』

「お安いご用だ」



そう言って戸を閉めて出ていった

月明かりに照らされた箱

送り主や送り先のかかれたシールの字は

間違いなくサボの字



『ふふ。サボってば張り切ったのね』



見たことのないサイズの箱

大きなぬいぐるみか何かかな?

でも張り込み先にぬいぐるみなんて置く場所がない

期待に胸踊らせテープを剥がして蓋を開ける



『んっ………!』



開けたと同時に首に何かが回りぐいっと引っ張られる

ビックリして目を見開いていると

見慣れたウェーブの金髪、左目の火傷の痕

黒のシルクハットに青いゴーグル



「名無しさん」

『サ、サボ』

「作戦大成功だな」

『作戦?』

「そ。俺からのサプライズ誕生日プレゼント」

『そのサプライズ誕生日プレゼントがサボ自身?』

「それでもよかったんだけど、プレゼントはちゃんとある」



ニッと笑って箱から出てくるサボ

服装を整えて私の前に立つ

色々聞きたいことが多すぎる

なんで忙しいはずのサボがここにいるのか

さっきの電話はまさか箱の中からしてたのか



「直接渡したくて来た。大事な彼女の誕生日だからな」

『サボ…』

「時間過ぎちまった」

『全然いいの』



ギューって抱き締めてくれるサボ



「誕生日プレゼントはこれ」



そう言って出したのはサボと指輪

私の誕生石の入った指輪

サボの指にはサボの誕生石の入った指輪



『これ…』

「婚約指輪にと思って。俺ら革命軍は
いますぐにって訳にはいかねえだろ?婚約指輪しとけば
誰にもとられる心配ねえなって」

『ありがとう』

「おう。次渡すのは結婚指輪だな。
とにかく誕生日おめでとう」



遠くにいてもプレゼントはすぐそばにあった



(これから帰るの?)
(いや。俺もこの調査に入る。ドラゴンさんに頼んで
日を送らせてもらった)
(よく許可が出たね)
(かわいい娘のためだってよ)



Fin

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