::短編小説::

□嫉妬彼氏
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最近、私の彼氏・・・黒瀬亮太は嫉妬が激しい。

私が男の子と話しているところを目撃すると、必ずすぐにメールが来る。

まぁ、気づかないときもあるわけで、気づかないと物凄く怒る。



今日もそうだった。

私が同じ委員会の男の子と、明日の仕事の話をしていただけですごく怒り出した。
亮太は怒るって言っても、静かに怒る。
傍から見たら、ただ喋っているようにしか見えないだろう。
絶対に怒鳴ったりはしない・・・でも凄く怒る。

「お前・・・アイツと何話してた?」
『何って、委員会の話だけど?』

最初っから睨み付けて話してくる。

「あんな仲良さそうにしなくてよくね?てか、ちけぇし。」
『別にそんなこと無い。普通だよ。』
「俺を腹立たせたくてやってんの?」
『そんなわけないじゃん。』

いつもの会話・・・正直言ってもうウンザリ。
何を言っても信じないし、最終的には必ず私が悪いことになる。
嘘なんて付いたことないし、全部正直に話すのに信じてもらえない・・・もう潮時かもしれない。




何度もそう思った。




でも、やっぱり別れる気にはなれないから、この機会に少々お仕置きなるものをしてみようと思います。

本当に何度言っても信用しない。

ていうか、最終的には屋上に行って口論。
人前では絶対に怒った顔は見せない。
いつもは至ってクールな亮太も、二人きりになると熱く嫉妬深くなる。
そんなだから、本気で別れようと思えない。
むしろ、私だけに怒っている顔を見せていると思うと可愛くも思えてくる。


2人で屋上に来て、言い合いをする。

「マジなんなの?俺のコト飽きたわけ?」
『誰もそんなこと言ってない。ホントに面倒な委員会の話を普通にしてただけ。』
「お前は、どうして面倒臭い委員会の話を笑顔で出来るんだ?」
『やりたくないよねー・・・って笑ってただけだよ。』

全部本当・・・本当なのに信じない。

いつもなら、私はここで、
『ごめんね?私が無神経だった・・・気を付けるから、許して?』

とか、優しいことを言って仲直り・・・っていうのがお決まりのパターンなんだけど、今日は違う。

自己中心的発言が半端ではない亮太にちょっとお仕置きタイム。

もう今日は許さない。

私は覚悟を決めた。
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