::短編小説::

□甘えた彼氏
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私の彼氏は超甘えた。

それでも大好きだけど、もう少し自立してほしいと思う。

私、紫海沙夜の彼氏・・・松岡玲央は今日も私にべったりです。


「・・・玲央、もうちょっと離れて。」
「やだ。」

宿題をやっている私に後ろから抱きついてくる玲央は、ちょっとウザい。

「玲央は宿題やったの?1年は出てないの?」
「俺は明日学校でやるからいいの。」

いいわけあるかっての。
家でやるから宿題って言うんだけど。

「あっそ。でも私は明日じゃなくて今日やるの。だから終わるまで待ってて。」
「・・・だから嫌だって言ってんじゃん。」

いつも以上に甘えたな玲央にちょっとイライラしてくる。

「玲央は良いかもしれないけど、私は生徒会の仕事もあるの。お願いだからチョット待ってて?」
「やだ。」

3年の私は一応会長もやっていて、結構大変だったりする。
特に今の体育祭時期には、玲央に構っていられないくらいに。

「もー、わかった。くっ付いててもいいけど邪魔はしないでね?」



「・・・やだ。」


はぁ??

嫌だって?

私はもう我慢ならなくて、PCと教科書を閉じて玲央に向かい合う。

一瞬嬉しそうな顔した玲央も、私が怒ってるのがわかって怯んだ。

私はその場に立ち上がって、玲央に怒鳴った。

「もう!邪魔しないでって言ってるだけでしょ?!あと少しなんだからそれぐらい我慢してよ!」

「・・・だって・・・」

「だってじゃない!」

「・・・・・・・・・。」

「くっ付いてるのはいいよって言ったでしょ?だったら私の仕事と宿題が終わるまでくらい待ってられないの?」

「・・・・・・・・・・。」

「はぁ・・・だんまり?もういいよ。今日は帰って?」

そう言った途端、玲央は目に涙を溜めた。


「や、やだ・・・」

「いいから、今日は帰って。」

「やだ!」



「帰って!!」


急に大声を出した私にビックリした玲央は、絶望的な顔をして帰って行った。
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