::短編小説::
□甘えた彼氏
1ページ/3ページ
私の彼氏は超甘えた。
それでも大好きだけど、もう少し自立してほしいと思う。
私、紫海沙夜の彼氏・・・松岡玲央は今日も私にべったりです。
「・・・玲央、もうちょっと離れて。」
「やだ。」
宿題をやっている私に後ろから抱きついてくる玲央は、ちょっとウザい。
「玲央は宿題やったの?1年は出てないの?」
「俺は明日学校でやるからいいの。」
いいわけあるかっての。
家でやるから宿題って言うんだけど。
「あっそ。でも私は明日じゃなくて今日やるの。だから終わるまで待ってて。」
「・・・だから嫌だって言ってんじゃん。」
いつも以上に甘えたな玲央にちょっとイライラしてくる。
「玲央は良いかもしれないけど、私は生徒会の仕事もあるの。お願いだからチョット待ってて?」
「やだ。」
3年の私は一応会長もやっていて、結構大変だったりする。
特に今の体育祭時期には、玲央に構っていられないくらいに。
「もー、わかった。くっ付いててもいいけど邪魔はしないでね?」
「・・・やだ。」
はぁ??
嫌だって?
私はもう我慢ならなくて、PCと教科書を閉じて玲央に向かい合う。
一瞬嬉しそうな顔した玲央も、私が怒ってるのがわかって怯んだ。
私はその場に立ち上がって、玲央に怒鳴った。
「もう!邪魔しないでって言ってるだけでしょ?!あと少しなんだからそれぐらい我慢してよ!」
「・・・だって・・・」
「だってじゃない!」
「・・・・・・・・・。」
「くっ付いてるのはいいよって言ったでしょ?だったら私の仕事と宿題が終わるまでくらい待ってられないの?」
「・・・・・・・・・・。」
「はぁ・・・だんまり?もういいよ。今日は帰って?」
そう言った途端、玲央は目に涙を溜めた。
「や、やだ・・・」
「いいから、今日は帰って。」
「やだ!」
「帰って!!」
急に大声を出した私にビックリした玲央は、絶望的な顔をして帰って行った。