R12→R15
□甘い不埒なメロディ
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ただ顔を合わせて話ができるだけでいいと思っていたのに、お互いの気持ちが一緒だとわかったら、もっと側にいたいし、触れ合いたい。
私は、こんなにも欲張りな生き物だったんだなぁ。
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「おはようございます…。」
朝の生徒指導で校門に真山先生と他の何人かの先生が立っている。
…昨日あんなにその…アレだったのに、どうしてそんなにいつもと変わらない態度でいられるんだろう。
こんな朝は初めてな訳じゃないけれど、私はまったく慣れません…。
やっぱり経験値の違い?
…私はもうダメです、気分は回れ右です。
「おい、梅原。」
真山先生に私の名前を呼ばれた。
先生の声を聞いたら、昨日の事がフラッシュバックして、心拍数が跳ね上がる。
はっ、はい!と思わず上ずった声で答えてしまった。
「あなたのそのスカート…。
短くないですか?」
へ?スカート?
私は入学以来、スカートをいじったりしてないけど…?
私がキョトンとしていると、真山先生の隣にいる先生が、このくらいは校則範囲内ですよ、と答えてくれた。
「…そう…ですか。
ならば、梅原、行ってもいいです。」
眉間に皺を寄せながら、校舎に入るように促された。
うわ、ちょっと睨まれた。
え?私が何かしたの?
昨日はあんなにイっ…イチャイチャしてたのに…。
後で数学準備室に行ってみようかな。
…好きな人ではあるけれども、あなたの睨んだ顔は怖すぎますよ、恭一郎さん…。