埃被った本棚。

□しゃぼん玉。(藤仙)
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夏の夕暮れ時、翔陽高校バスケット部の選手兼監督である藤真は小さくレトロな電車に乗り海沿いの陵南高校前駅で降りた。
改札を抜けるとサーフボードを片手に帰っていく人や眺めの良さから携帯やカメラで撮影する人で賑わっていた。
それを通り過ぎて七里ヶ浜方面に歩き少し古びたアパートの前で足を止め、2階の角部屋のベランダを見上げる。
まだ空が明るいせいか電気は付いていなかったが窓が開いており、
そこからふわふわとシャボン玉が
浮かんできた。
「何やってんだ…。」
藤真はやれやれと肩を竦めアパートの階段を上がる。
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