05/29の日記

23:32
いや、まあ兄様も若いし毎日とかそういうこともあるんじゃないかと思いつつ勇ベル
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言い争いが絶えないのはいつものこと。基本的にどちらかが妥協するまでそれは続く。
しかしこの日の二人の意見はいつまでたっても平行線のまま、どちらも一向に折れる気配は無かった。

「貴公には受け入れる側の辛さなどわからんのだ!座るだけで痛いのだぞ、腰が!」

いくらなんでも毎日は出来ない、と喚くベルガーの頬は赤い。

「欲しいものが手の届く場所にあるのに手を出さない奴がいるのか」
「限度ってものがあるだろうが!」
「好きな相手に触れたくなるのは当然だ」
「そ、そんなことを言っても誤魔化されんぞ!」

何時間経過しただろう。延々とほぼ同じ台詞の繰り返しだった。変化のない言い合いに、先に音を上げたのは勇貴の方だった。

「なら、賭けをしようか」
「…賭け?」
「10分間立ったままでいられたなら、俺は君の要求を飲もう」
「立っているだけ…なのか?」

いかにも裏のありそうな提案に、ベルガーは眉を顰める。大体の言い争いにおいて折れることの多いベルガーとしては、勇貴の頑固さは熟知しているつもりだ。
しかしながら平行線に嫌気がさしていたのはお互い様であった。訝しがりながらも承諾し、彼の前に立つ。
勇貴はソファーに座り、背凭れに体重を預けリラックスした様子でベルガーを見つめた。
最初の1、2分はそのまま大人しくしていたが、見上げてくる視線が気になるのかベルガーは目線をふらふらと宙で泳がせ始める。

「人前に立つのは落ち着かないだろう?」
「…貴公がじろじろと見るからだ」

問いを肯定しながらも、この居心地の悪さは全てお前のせいだと目で訴える。

「俺はじっくり見られて楽しいがな」

にい、と意地の悪い笑みを勇貴は口元に浮かべた。

「衣服を纏っていても、君の体のどこに痕が残っているのかはっきりわかる」

どこをどう触ればどう反応するか、その時どんな顔をしているか、君の身体の隅々に至るまで全て。
足元から身体へ這わせるようにゆっくりと視線を滑らせながら告げると、ベルガーの顔は赤く染まる。

「今すぐにでも、襲いたい」

約束の時間まであと僅かとなったところで勇貴は低く囁き、徐に立ち上がった。思わず後退ろうとするベルガーに口付けられるという距離まで顔を近付け、右の掌で軽く下肢を撫で上げる。

「あ…」

特に意識させるような触れかたではなかったが、ベルガーの身体はそれに反応して足元が崩れた。よろめいて目の前の勇貴の腕に縋りながら悔しそうにその顔を見上げる。

「俺の勝ちだな」

ずるい、と力なく漏らすベルガーの唇を、勇貴は塞いだ。







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俗に言う視姦。

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