□【序章:互いの存在価値】完
2ページ/8ページ


夜。



『………。』




今宵は満月だった。
太陽とは違う輝きに、人が映るシルエットは堪らなく黒い。

そんな世界が好きな神。



黒神が、夜の道を歩く。
腰から右足にかけて伸びる凶器が月に照らされ独特な光を帯びて。

ある人物に会う為に…光の空間へ次元をずらした。































『……こんな光の世界に何を望むんだかな。』

「貴様…此処は光の宮殿、こんな夜分遅くに何用だ?」

『………』


大きな宮殿の前に立つ門番。
男は暗闇に交えて、顔が良く伺えない事から、黒神に質問する。

黒神は笑った。



『何って…知りてぇの?』

「…質問しているのはこちらだ。しかも、何で武装している!」


銃器を持っている事に気付かれ、焦る様子も無く黒神は笑いながら男に言った。



『せっかちな奴。じゃあ、死ねば?』

「…!!」




















次の瞬間

男は、心臓を一発で刺された。

刺された凶器はアイスピック、黒神の手からすり抜け床に落ちる。



チリ ン…



『教えてやろうと思ったのに。クク…馬鹿な無能人間。』




簡単に宮殿へと侵入に成功した黒神。
足は何かに共鳴しているのか、突き当たる事もなく、ある場所に向かっていく。

その間、警備をしていた男達は…黒神とすれ違う度に崩れて行った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ