神
□【序章:互いの存在価値】完
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夜。
『………。』
今宵は満月だった。
太陽とは違う輝きに、人が映るシルエットは堪らなく黒い。
そんな世界が好きな神。
黒神が、夜の道を歩く。
腰から右足にかけて伸びる凶器が月に照らされ独特な光を帯びて。
ある人物に会う為に…光の空間へ次元をずらした。
『……こんな光の世界に何を望むんだかな。』
「貴様…此処は光の宮殿、こんな夜分遅くに何用だ?」
『………』
大きな宮殿の前に立つ門番。
男は暗闇に交えて、顔が良く伺えない事から、黒神に質問する。
黒神は笑った。
『何って…知りてぇの?』
「…質問しているのはこちらだ。しかも、何で武装している!」
銃器を持っている事に気付かれ、焦る様子も無く黒神は笑いながら男に言った。
『せっかちな奴。じゃあ、死ねば?』
「…!!」
次の瞬間
男は、心臓を一発で刺された。
刺された凶器はアイスピック、黒神の手からすり抜け床に落ちる。
チリ ン…
『教えてやろうと思ったのに。クク…馬鹿な無能人間。』
簡単に宮殿へと侵入に成功した黒神。
足は何かに共鳴しているのか、突き当たる事もなく、ある場所に向かっていく。
その間、警備をしていた男達は…黒神とすれ違う度に崩れて行った。