興味があるものと興味がないもの。
私は割とそれがはっきりしていて、興味があるのは勿論蓮二だ。
興味がないのは勉強。
でもそれが二つ同時にやって来るなんて思いもしない。
意外なその日は、テスト期間真っ最中だった。
「うーんうーん・・・」
「xの増加量が3なら、yの増加量が−12の時の変化の割合は・・・わかるか?」
「うーん・・・なんとなく」
「ならば復習しよう」
テストに備えて興味アリアリの幼馴染と、一緒に興味ナシナシのお勉強。
こういう時、「幼馴染」って言うのはラッキーだと思う。
休日の図書館は人もまばらで、静か。机に教科書とノートを広げているのは私達くらいだった。
勉強を教えてもらってるせいか、
蓮二との距離が、いつも以上に近い。
「・・・よし、じゃあこの問題を解いてみろ」
シャーペンを走らせ、トントンと鳴らした先には、蓮二自作の問題。
「俺に質問せずに解けたなら、今日の勉強会は終了だ」
そう言うと頬杖をついた。顔をこちらに向けて私をじっと見据えてくる。
「・・・・・・・っ」
視線は私を捉えていて。
見つめる。
いつも表情は変わらないくせに、口角は少し上がっていて。
「どうした?解かなければいつまでも帰れないぞ」
この人、確信犯じゃないの?
好きな人に見つめられたら、解けるものも解けやしない。