思い出

□川べりに立った遠い日
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それは・・・もう遠い日の記憶


自分の記憶ではない


でも確かに受け継がれた



血の記憶



暖かい母の懐かしい匂い





姉が泣き出したから
止めた



母はそう語った



川べりに立ち
流れる水をただ見下ろしていた



あの遠い日・・・



生まれて1年にも満たない私は
その母の背中に
負ぶさっていた



何も知らず



ただ暖かい母の背に凭れて



眠っていた―





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