愛し愛され 、恋焦がれ

□#9
1ページ/9ページ






愛おしい声と共に感じたのは心地良い暖かみ。

もう僕は無力なんかじゃない。

2人であって1つである、

僕はラピスと一緒に立っている。

2人でみんなを守ってみせる。










グ「 ネル。闇に落ちるな。俺が傍に居てやるから。」



“ 憎い ” その言葉を発しながら一歩一歩とアジ・ダハーカに近付いて行くネル。

気持ちが必要ならいくらでもくれてやる。

受け止められねぇ程の気持ちを全部ネルにやる。

俺は優しくネルを抱き締めて言葉を呟いた。



ネルが “ 憎い ” と発しなくなった。

後はこっちに引き戻すだけ。

俺は不器用だ。

どうすりゃ、気持ちを伝えられるかなんてこの方法しか知らない。

抱き締めていた腕の力を弱めて、肩に手を置く。

ネルは俺より随分と背が低い。

だからこうして少し屈んでやらなきゃなんねぇ。

光を感じない迷いのある目を真っ直ぐに見て気持ちを告げる。



グ「 ネル…帰って来い。」



そして唇を重ねる。

人前でキスなんて公開処刑だ、と思ってた。

だけど今はこれぐらいが丁度いい。

ネルは俺が一生掛けて愛す女だ。

それを他の奴に取られるなんざ、癪に触るどころじゃねぇ。

だったら今此処にいる奴らみんなに見せつけて知らしめてやる。

ネルは俺の女だ。




 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ