愛し愛され 、恋焦がれ
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愛おしい声と共に感じたのは心地良い暖かみ。
もう僕は無力なんかじゃない。
2人であって1つである、
僕はラピスと一緒に立っている。
2人でみんなを守ってみせる。
グ「 ネル。闇に落ちるな。俺が傍に居てやるから。」
“ 憎い ” その言葉を発しながら一歩一歩とアジ・ダハーカに近付いて行くネル。
気持ちが必要ならいくらでもくれてやる。
受け止められねぇ程の気持ちを全部ネルにやる。
俺は優しくネルを抱き締めて言葉を呟いた。
ネルが “ 憎い ” と発しなくなった。
後はこっちに引き戻すだけ。
俺は不器用だ。
どうすりゃ、気持ちを伝えられるかなんてこの方法しか知らない。
抱き締めていた腕の力を弱めて、肩に手を置く。
ネルは俺より随分と背が低い。
だからこうして少し屈んでやらなきゃなんねぇ。
光を感じない迷いのある目を真っ直ぐに見て気持ちを告げる。
グ「 ネル…帰って来い。」
そして唇を重ねる。
人前でキスなんて公開処刑だ、と思ってた。
だけど今はこれぐらいが丁度いい。
ネルは俺が一生掛けて愛す女だ。
それを他の奴に取られるなんざ、癪に触るどころじゃねぇ。
だったら今此処にいる奴らみんなに見せつけて知らしめてやる。
ネルは俺の女だ。