愛し愛され 、恋焦がれ
□＃６
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鳥籠を壊された事による怒りと悲しみ。
それが僕の何かを千切った。
身体の底から湧き上がる魔力。
僕の魔法は未完成。
ラピスは無意識ながらに僕の魔法を完成させた。
全ての記憶が戻った。
ニヒレンとリゼンが僕に託した使命。
これは１人じゃ果たせない。
だからこそ、僕達は双子なんだ。
記憶が戻った今、
僕が為すべき事は分かっている。
だけどラピスを悲しませちゃいけない。
僕が器だということ
鳥籠だということの意味を
ラピスはまだ知らないんだ。
これは僕だけがニヒレンから聞かされた真実。
そして使命。
僕達は双子。
双子の竜に育てられた双子の滅竜魔導士。
瞼を開けなきゃ。
使命を果たさず死ぬなんてダメだ。
僕はニヒレンと約束したんだ。
使命を果たす為に命を授かった、滅竜魔導士。
双子の滅竜魔導士？
それには少し語弊が生じるかな。
僕達は双子の滅竜魔導士なんかじゃない。
そう、僕達は１人の滅竜魔導士。
だって僕らは……
２人で１つの存在だから…