愛し愛され 、恋焦がれ

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僕達、双子の姉妹は竜に育てられた。

これは紛れもない事実。

2つの頭を有する1頭の竜。

名前はシギランバーヌ。



頭1つずつに別々の感情や思考がある。

2つの頭は自らで名を付けている。

白い頭を持つ僕の親代わり、リゼンバーヌ。

黒い頭を持つネルの親代わり、ニヒレンバーヌ。

リゼンバーヌが意味するのは理性。

ニヒレンバーヌが意味するのは虚無。



僕は彼等を1つの体を持つが別々の存在として捉えていた。

リゼンは母、ニヒレンは父の様だった。



『 リゼン!見て見て!綺麗なお花!』


リ「 ラピスは本当にお花が好きねぇ。」


『 だって綺麗なんだもんっ!』


リ「 そうね。さぁ、魔法の練習は?」


『 はーいっ!』



僕は魔法の才能に魅入られていた。

リゼンが僕に教えてくれていた魔法は俗に白魔法と呼ばれる術者が大切に想う者を加護する力。

僕はこの魔法が大好きだった。



『 ねぇ、リゼン?ネルもニヒレンに魔法を習っているんだよね?』


リ「 えぇ、そうよ。」


『 どんな魔法なの?』


リ「 それは教えられないの…。でも、いずれ分かるわ。貴方達は私達と同じで2人で1つ、2人の力を合わせる時が来るわ。」



僕はネルがニヒレンから学ぶ魔法を教えてもらえる事はなかった。

だけど、僕と同じで素敵な魔法なんだと思っていた。





 
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