愛し愛され 、恋焦がれ
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ー 10年前 ー
俺の名前はギルダーツ・クライヴ。
妖精の尻尾の魔導士だ。
今は10年クエストと呼ばれる仕事の為に此処 “ ブロッケイド タウン ” に足を運んでいる。
ブロッケイド タウン。
意味は封鎖された街。
俺は此処で2人の少女に出逢った。
「 いらしてくれましたか、魔導士様。」
彼は今回の依頼主であり、この街を収める王。
この街は皆が憧れる場所。
悪は存在せず、各々が生き生きと生活を誇る。
「 長旅でお疲れの事でしょう。詳しい仕事内容は明日、お伝え致します。本日はお休み下さい。…ほれ、ネル。魔導士様をお部屋に案内しなさい。」
『 はい…。』
ネルと呼ばれ俺の案内を任されたのはまだ幼い少女。
俺は彼女に促されるままに部屋へと案内された。
『 魔導士様……。貴方はこの街をどう思われますか?』
突拍子もない質問だった。
だけど何か追い詰めた様な、か細い声で問う彼女に俺は答えざるを得なかった。
ギ「 …確かにこの街に悪は蔓延っていねぇし、民は住みやすい村だろう。……だけどこの宮殿は臭ぇ。村の悪を全て封じ込めてるみてぇに臭ぇのがプンプンしてやがる。」
『 っ!?』
少女は俺の答えを聞くなり驚いた様子でずっと俯かせていた頭を上げて目を涙ぐんだ瞳を露わにさせた。